カメの歌からイソップ寓話まで

最近、我が家にニホンイシガメをお迎えしました。

生まれて2ヶ月ほどのベビーなのですが、動きが結構速い。

「もしもし、カメよ〜、カメさんよ〜」という歌で「世界のうちでお前ほど、歩みののろいものはない〜」というフレーズが頭に浮かびますが、水亀は泳ぎも歩みもかなり素早いのでこれは陸亀のことなんだなと改めて思いました。

このうたで「歩みののろいもの」とあるのですが、もしかして「歩みの呪い者」だったらサスペンス的な歌になるよなぁ、なんて思います。

ウサギとカメ

これをもとに妄想を膨らませていくと、例えば、イソップ物語で「ウサギとカメ」というお話があります。

実話では、ウサギは足が早いので過信して道の途中で昼寝をしている間に、カメに先を越されて試合終了となりました。

でも、実はこの話は第2戦目のことだったとしたら?

第1戦目ではウサギは途中で昼寝などせず、山のふもとまでそのまま走ってゴールしたとしたら?

カメは自分の足の遅さと性格の悪いウサギを呪ったかもしれません。

ここで先ほどの歌の「歩みの呪い者」とがリンクします。

呪いの念を心に秘めたカメはリベンジするために、第2戦をするようにとウサギをそそのかします。

話に乗せられたウサギは、再びカメと競走することに決めました。

そして、これが有名な「ウサギとカメ」の決戦です。

競走の前に、カメはウサギに「グッドラック!」といって睡眠薬を混入させたスポーツドリンクを提供しました。

競走が始まりウサギは余裕シャクシャクで走っていきましたが、第2戦目ということもあり少し疲れが出たせいか眠気が襲ってきたのだと勘違いして道の途中でしばし昼寝をすることにしました。

あとからノコノコやって来た計画積みのカメは、道端で眠っているウサギにおもむろに近付きました。

カメは呪いと復讐の念を込めてウサギの顔面めがけてプロレス技のダイビング・ボディ・プレスを決めました。

ウサギが意識不明になったことを確認し、カメは余裕シャクシャクでゆっくりと歩み、そしてゴールを勝ち取ったのです。

意識が回復したウサギは山のふもとで喜ぶカメを見て、復讐することを固く決意しました。

ここから第3戦、第4戦とどちらかが死ぬまで延々と続くのですが、おそらく短編1話で完結させたかったイソップは話を簡潔にまとめてしまったのかもしれません。

イソップといえば「北風と太陽」という話も有名です。

北風と太陽

あらすじは、ある時、北風と太陽が力比べをしようとします。

そこで、通りすがりの男のコートを脱がせることができるかという勝負をします。

まず、北風が力いっぱい吹いて上着を吹き飛ばそうとします。

しかし、寒さを嫌った男は上着をしっかり押さえてしまい、北風は男の服を脱がせることができませんでした。

次に、太陽がこれでもかというぐらい照りつけました。

すると男は暑さに耐えきれず、今度は自分からコートを脱いでしまいました。

 

という、「武力ではなく理解と優しさ」が比喩的に学べる教訓話です。

 

このお話から、もう少し妄想を膨らませてみます。

 

その1

北風が吹いた風があまりにも強過ぎたため、男は吹き飛んでしまい打ちどころが悪く脳挫傷で死んでしまった、という悲しい結末。

「暴力はいけない」という教訓を学べますが、太陽の出番がないため太陽の賢さが披露できないのが残念なのでボツ。

 

その2

北風のミッションが失敗し、太陽は待ってましたとばかりに張り切って男を照りつけました。

が、あまりに急激に温度を上げすぎたのと男はかなりの頑固者だったため意固地になりコートをまとったまま熱中症で死んでしまった、というこれまた悲しい結末。

「行き過ぎた親切と自分よがりの行いは、実は、逆に人を苦しめる」という教訓が学べますが話の後味が悪いのでボツ。

 

その3

同じく北風のミッションが失敗に終わり、太陽はここぞとばかりに男を照りつけて見事にコートを脱がすことができました。

が、その男は、実は変質者だったためコートの下には下着一枚もまとっておらず、北風と太陽は燦々(さんさん)と日光で照りつけられている男の衝撃的な裸体を目撃し、絶句し、そして過度の精神的ショックを受け終生トラウマに悩まされる、という結末。

「ウィットに富んだ行いをしても、人生には予想もつかないどんでん返しが待っている」という教訓を学べますが、子どもの教育にはふさわしくないというのとR指定になる恐れがあるためボツ。

 

その4

北風と太陽が「力比べをしよう」といった時点で、「争いは、やめなさい」と突然神様が仲裁に入り話が終わってしまう。

なんでもかんでも神様が出てきてものごとを片付けてしまうと自分で考える能力が著しく低下し、世の中の不条理に対する疑問を持たなくなる恐れがあるためこの展開もボツ。

 

ということで、これまたイソップは簡潔に話をまとめたのではないかと思われます。

 

以上、カメから妄想したどうでもいいことでした。

 

おわり

ABOUTこの記事をかいた人

フリーランスの画家として活動しています。 愛知大学卒業後、青年海外協力隊で南米ボリビアの首都ラ・パスの国家警察学校で空手に当たる。現地で絵を描く楽しさを知り、帰国後独学で技法を学ぶ。その後、創作活動をして個展を開催する傍ら、ラオス、スリランカ、エルサルバドル、フィジーに空手の指導に当たる。今までの経験を創作に活かし「明るく、楽しく、やさしい絵」をモットーに元気に活動中。