「心を癒す」がテーマの画家ハナムラ・ヒロユキです。
油絵や水彩画は聞いたことはあるけれど、アクリル画っていったいどんなものなの?とよく聞かれます。今回はアクリル画はどんなものなのかについて書いていこうと思います。
目次
アクリル画とは?
アクリル絵具を使って描いた絵のことです。
多くの現代美術家がアクリル絵具を使って創作活動を行っています。村上隆さんや奈良美智さんもアクリル絵具を使って絵を描いています。
近代芸術家のゴッホ、ピカソ、モネ、セザンヌなどの多くの画家は油絵具を使って絵を描きました。それを油絵と呼んでいます。この頃にはまだアクリル絵具は発明されていなかったので、もしアクリル絵具があったら彼らも使っていたかもしれませんね。
アクリル絵具ってなに?
アクリル絵具とは、アクリル樹脂を固着材に用いた絵具のことです。
この絵具は、石油化学の発達によって生産することが可能になりました。表現の幅が広いので、多くの作家が使用しています。
アクリル絵具には、溶剤性アクリル絵具と水溶性アクリル絵具の2種類があります。でも、現在一般に購入できるアクリル絵具のほとんどは水溶性です。
水溶性アクリル絵の具には、アクリルガッシュというものがあります。これはわかりやすくいうとアクリル絵具版のポスターカラーや不透明水彩のようなものです。ムラなく不透明に塗ることができるので、イラストレーションによく使われています。
アクリル絵具塗ったあとは乾燥が極めて早いです。ドライヤーを使えば更に早くなるので、創作のスピードが速くなります。乾燥後には耐水性となり重ね塗りも楽にできるので、とても手軽に創作をすすめることができるのです。
ただ衣類にアクリル絵具が付いてしまった場合、乾燥してしまうと色が落ちません。乾燥する前に水で洗い流さなければならないので注意が必要です。
どんなふうに描くの?
小学校で習う水彩画のように、水でアクリ絵具を溶いて水彩画用の柔らかい毛の筆で画用紙に描くこともできます。
また油絵のようなタッチで描くこともできます。油絵具の溶剤は使用せず、固い毛の筆で水でアクリル絵具を溶いてキャンバスに描くこともできます。油絵具のような臭いがまったくないので、気楽に創作ができるんですね。
どんな表現ができるの?
水彩画のような淡い表現もできますし、油絵のような分厚く塗り込む表現もできます。ポスターカラーのようにムラがない表現もできますが、アクリルガッシュを使えばさらに不透明でムラのない表現ができます。様々なメディウム(溶剤)を使うことで、更に幅広い表現が可能になります。
水彩画のようなタッチでも描けます。
油絵のようなタッチでも描けます。
アニメのような、まるでコンピューターグラフィックで描いたようなタッチでも描けます。
メディウムを使えば盛り上げた表現もできます。
メディウムってどんなものがあるの?
メディウムはアクリル絵具に混ぜて使う媒体・溶剤のことです。メディウムといってもたくさんの種類があるので、自分のイメージに合った表現ができるようなメディウムを選ぶ必要があります。
でも、メディウムを使わずに水だけでも十分に描けますので、必ずしもメディウムを使わなければならないということではありません。
- グロスメディウム
ツヤ出しメディウムです。絵具に混ぜるとツヤと透明感が出ます。コラージュなどの接着剤としても使えます。 - マットメディウム
ツヤ消しメディウムです。絵具に混ぜることで絵の具のツヤが消えてマットな感じになります。 - グラデーションメディウム
薄塗り用遅乾メディウムです。絵具に混ぜると乾燥を遅らせることができるので、グラデーションを表現するのに最適です。 - ジェルメディウム
ツヤ出し盛り上げメディウムです。透明感とツヤのある盛り上げた表現ができます。 - モデリングペースト
盛り上げメディウムです。粘りの強いパテ状の白色下地剤で、乾くと固形化します。立体的な表現ができますが、あまり厚塗りするとひび割れするので注意が必要です。 - ナチュラルサンド
砂が入っているのでザラザラした質感の下地ができます。 - セラミックスタッコ
漆喰の壁のようなマットな質感の下地 ができます。
その他に、メディウムにはまだまだ種類がたくさんあります。自分の表現に合ったメディウムを使うと、面白い作品が出来上がりますよ。
まとめ
- アクリル画とは、アクリル絵具で描いた絵のこと
- アクリル絵具とは、アクリル樹脂を含んだ絵具のこと
- 乾くと耐水性となるので、水に溶けない
- アクリルガッシュという艶消しの不透明な種類もある
- 現代芸術家の多くがアクリル絵具を使用して創作している
- メディウム(媒体・溶剤)を絵具に混ぜたり下地に使うことで様々な表現ができる
- 多種多様なメディウムが存在する