「心を癒す」がテーマの画家ハナムラ・ヒロユキです。
今回は「はじめての個展で作品も販売したいけれど、値段はどのように決めればいいのか」について書きました。
-目次-
- あなたの作品はこの世にたった一つしかない
- 画廊やギャラリーでは
- 貸し画廊やカフェ・ギャラリーでは
- 値段はどのように決めればいいか?
- 時給計算で値段をつける
- 号数計算で価格を決める
- 最初は安くからでいい
- 心を込めてつくったものは、いつか売れる
はじめての個展、もしくは展覧会はやったことはあるけれど販売するのははじめてという方が、どのように作品の値段を決めればよいのかを見ていきましょう。
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あなたの作品はこの世にたった一つしかない
作品というのは複製品でない限り、この世にたった一つしか存在しません。
ほかの人にも同じようなものは作れるかもしれませんが、そのときに色々なことを考えながら丹精込めて作ったものは現在のあなたでも同じものは作れません。
あなたの作品は唯一無二の存在なので、希少価値は非常に高いのです。
このことをまず覚えておいてください。
画廊やギャラリーでは
でも売るとなると、自分の作品がどのぐらいの値段になるのかはまったく見当がつかないのが正直なところです。
画廊やギャラリーで販売してもらう場合は、一般的にはそこの人たちが
「では、最初は(絵だったら)1号サイズあたりOO円からということでいきましょう」
ということになります。
例えば、1号サイズ当たりの値段が1万円の場合、3号の絵だったら単純計算で3万円となります。
これは画廊・ギャラリーと作家との間の取り決めなので、店頭で販売される価格は違います。
額や送料、宣伝費などの手数料もたくさんかかってくるので、ギャラリーや画廊で販売される場合は作家との取り決め価格の2~4倍ぐらいになります。
超一流の現代アート作家でも、売り上げは作家半分、ギャラリー半分という割合とのことです。
よく「ギャラリーや画廊で取り扱い作家になったら7割ぐらいは作家に入るのかと思った」なんて聞きますが、そんなことはないんですね。
いくらいいものを作っても、みんなにお知らせをして売ってくれる人がいないと売れないわけですから、手数料はたくさんかかると思ったほうがいいです。
貸し画廊やカフェ・ギャラリーでは
では、自分で個展を開いて作品を販売するときはどうかというと、貸し画廊やカフェ・ギャラリーで開催するときもだいたいは会場使用料とは別に販売手数料を徴収する場合が多いです。
場所にもよりますが、売り上げの5~30パーセントぐらいだと思いますので、そこのところはよく確認しましょう。
値段はどのように決めればいいか?
本題に入ります。
作品の値段はどのように決めればいいか。
まったく自由なのでいくらにしてもぜんぜん構わないのですが、
このぐらいの値段だったら売れそうで、
このぐらいの値段だったら売ってもいい
と思うあたりの値段を出してみましょう。
売れそうな値段とは
売れそうな値段というのも予想しにくいですが、身近な人に聞いてみるのもいいかもしれません。
でも、周りにはアート作品を買ったことある人なんていない場合がほとんどです。
そんなときは、他の作家の初めて売る作品だったらこのぐらいの値段なら買ってもいいかなぁ、という感じでかんがえるといいかもしれません。
正直、これも想像しにくいですけどね。。。ごめんなさい。
売ってもいい値段とは
次に、このぐらいの値段だったら売ってもいい値段について考えてみます。
一生懸命に魂を込めてつくった作品です。
決して安売りはしたくありません。
でも「売りたい」なら初心者なのに高すぎる値段では誰も買いません。
なので高すぎないというのが条件ですね。
ではどう考えるか。
時給計算で値段をつける
まずは、作品につかった労力を考えます。
その一枚の作品に何時間費やしたかを時間で計算してみましょう。
つづいて、自分の創作活動を振り返ります。
自分が経営者だったら、その労働にどのぐらいの時給を払えるかを想像します。
「販売するのは初めて」ということも考慮してください。
それでは、時給はいくらになったでしょうか?
その時給を創作時間に掛けたものが、作品の値段になります。
続いて、制作にかかった材料費を計算します。
キャンバスだったり絵具だったり、メディウムだったり色々と材料費がかかります。
額に入れて売る場合は、額代はいくらか計算します。
会場使用料も掛かります。
これらの合計と時給計算した作品の値段を合計したものが最終的な作品の値段になります。
号数計算で価格を決める
個人的には、こちらをおすすめします。
画廊やギャラリーと同じように、号サイズで値段を決めるとわかりやすいです。
額代を含めない場合、最初は1号サイズあたり3000円ぐらいからのスタートでいかがでしょうか。
3号サイズの絵だったら9000円になります。
「この絵が欲しい!」という人がもし現れたら、額代は別途必要とのことをお知らせして、合計金額を計算してから提示すればいいと思います。
もちろん額代も含めた値段にしたいなら、1号サイズ当たりの値段を4000円ぐらいにすればいいです。
油彩額は小さいのでも安くて3000円ぐらいはしますので、それも頭に入れておきましょう。
また同じサイズの作品でも、いかにもすごく手が込んでいそうな場合は少し値段を上げてみてもいいです。
逆に、さらっと描いたような作品だったらちょっと値段を下げてみるとか。
最初は安くからでいい
経験的にいえることは「最初は安くから」です。
これだけがんばって作ったのだから、このぐらいの値段で!というのもよくわかりますが、その値段よりも気持ち安くします。
まずは一度、この値段で販売してみて状況を見ましょう。
この値段で売れるたのなら次回の個展ではもう少し上げてもいいかもしれませんし、そのままでもいいかもしれません。
もしくはまったく反応がなかったら、もう少し安くしてみるのもいいです。
作品の安売りはすすめませんが、無名作家の作品は高額だとよほど気に入られな限り誰も買いません。
まずは自分で売ってみて様子を見てから考える、という感じでやることをおすすめします。
心を込めてつくったものは、いつか売れる
個人的な意見ですが、一生懸命に心を込めて作ったものなら、その時は売れなくてもいつかその作品を気に入って買ってくれる人が現れます。
何回も個展を経験していくうちに「自分の作品に対する売れる値段のつけ方」というのがわかってきますので、場数を踏むことが重要なんですね。
自分の作品に値段をつけて提示するというのは、最初はとても恥ずかしかったりするので勇気が要ります。
でも、勇気を出して一歩踏み出せばわかることがたくさんあります。
作品が売れるというのは、作家にとってこんなに嬉しくて幸せなことはありません。
まずは色々考えて値段をつけて、一枚売ってみましょう。
一枚売れたらわかることがたくさんあるので、勇気をもって一歩を踏み出しましょう!