「癒し」がテーマの画家ハナムラ・ヒロユキです。
はじめての個展を開きたい人のために手順を説明します。
今回は貸し画廊ではなく、カフェ・ギャラリーや公共施設を利用しての個展の開き方を説明していきます。
私は独学で絵描きを始めたので、最初はどのように作品を発表していったらいいのかがまったくわかりませんでした。でも、自分なりにあれこれ調べて小さな個展を開くことができました。
現在ではほぼ毎年、広い会場を使って個展を開催することができるようになりました。
個人で創作活動をしていて(絵画教室に通っていてもいいですが)発表の仕方がわからない人のために、個展の準備の仕方や開き方などをまとめてみましたのでお役に立てれば嬉しいです。
-目次-
- 作品をつくろう
- 会場を決めよう
- 作品を準備しよう
- DMをつくろう
- プロフィールをつくろう
- 作品タイトルカードをつくろう
- 名刺をつくろう
- 無料プレゼントをつくろう
- 作品の配置を決めよう
- 個展のお知らせをしよう
- 作品を梱包しよう
- 搬入しよう
- 作品を配置してみよう
- 作品を取り付けよう
- 作品タイトルカードを貼り付けよう
- プロフィールを貼り付けよう
- ライティングをしよう
- 自分の居場所をつくろう
- 掃除をしよう
- お客さんとコミュニケーションをとりましょう
- 搬出しよう
- 次の個展に向けて考えよう
1.作品をつくろう
もちろんのことですが、作品がなければ個展ができませんので、まずは作品をつくりましょう。
小さいサイズの作品なら8点ぐらいは用意しましょう。
2.会場を決めよう
私が住んでいる東海地方は喫茶店が多いので、ギャラリーを併設したカフェがたくさんあります。カフェ・ギャラリーがない場合は、公共の施設で展示できるスペースはないか調べてみましょう。
二つのタイプの展示スペース
カフェ・ギャラリーで個展を開くときに注意したいことがあります。
ギャラリー・スペースを併設した場所で展示するのか、店内の壁だけを使って作品を展示するのかということです。
店内の壁だけに作品を飾るタイプのカフェは、あまりおすすめできません。
なぜかというと、せっかく来てくれたお客さんがじっくり作品を見ることができないからです。
テーブルの横にある壁に作品が掛かっていても、そこに他のお客さんが座っていたら見に行くことができません。
そうすると作品が単なるインテリアになってしまいます。
作品展としてしっかり見てもらいたいのなら、カフェとギャラリーがきっちり分かれた店がおすすめです。
気になるギャラリーに足を運んでみる
候補になるカフェ・ギャラリーや施設を見つけたら訪ねてみましょう。
人気があるお店や施設は1年先まで予約で埋まっています。2年先までいっぱいのところもあります。
キャンセル待ちもできたりしますが、お店の人から「一カ月後に空きが出ました!」と言われても予定が立てにくくなります。
お知らせを出したり準備をしたりする期間を考えると時間がないので、「いつでも準備OK」のときを除いてキャンセル待ちはやめたほうがいいです。
創作に焦りも出てきますから。
展示スペースは探せばたくさんある
諦めずに自分のイメージに合うお店を探しましょう。
スケージュールが空いているお店が見つかったら、お店の人に利用期間と利用料金を聞きます。
このときお店の人から「どのような作品を描いているのですか」と聞かれる場合があるので、作品集や携帯に作品画像を用意しておきましょう。
お互いに利用条件が納得できたら予約します。人にもよりますが、早くて半年後ぐらいがいいかと思います。
搬入日と搬出日はいつで何時から何時までとか、展示する上での注意事項をしっかり聞いておきましょう。
たとえば、
壁に画びょうやピンを刺しても大丈夫なのか
作品やグッズが売れた場合のマージンはどのくらいなのか、など。
展示スペースの図面をもらいましょう
展示スペースの図面をもらいましょう。
ない場合は、メジャーで展示スペースの壁の広さを測ってノートにメモします。
スポットライトがある場合は、いくつあるのかも聞いておきます。
☆必要な持ち物
- 作品集または作品画像
- ボールペンか鉛筆
- ノート
- メジャー
3.作品を準備しよう
会場が決まり、展示スペースの広さも把握できました。
この限られたスペースにどのぐらい作品を飾ることができるのか考えましょう。
いろんなサイズの作品を並べる
F0号やSMサイズのミニ作品ばかりでもいいと思うのですが、できればバラエティーに富んだサイズの作品があったほうがおもしろいと思います。
逆に、狭いスペースに40号とか80号の大作が並ぶと窮屈に見えるのでやめましょう。
メモした展示スペースの図面をもとに、今ある作品を配置してシミュレーションしてみます。小さい作品同士でも40㎝ぐらいは離したいです。
だいたい何点ぐらいの作品があればいのか想像できるので、足りなかったら作品をつくりましょう。まだ時間はありますので。
作品のサイズについては、「キャンバスサイズの早見表」をご覧ください。
4.DMをつくろう
個展の案内をするためにDM(ダイレクトメール)をつくります。
パソコンの画像編集ソフトなどを使ってDMを作ると便利です。
二つの方法で印刷できる
編集したデータを家庭用プリンターで印刷してもいいし、ネットで業者さんに印刷してもらってもいいです。
業者さんに発注する場合は、100枚単位でできます。
枚数が増えるほど割安になり、納期が遅ければ遅いほど割引となるケースもあります。
パソコンが使えない場合はアナログで
パソコンが使えなくて手書きしか無理という方は、アナログでつくりましょう。
作品画像をプリントし切り取って、はがき用紙に貼り付けます。
サインペンやボールペンなどで
- 個展のタイトル
- 開催日
- 開催時間
- 開催場所
- 連絡先
などを記入します。これをコピーするか、スキャンした画像もしくは実物を業者さんに持っていって入稿できますが、かなりの手間と経費がかかります。
業者さんに全部頼むとデザイン料と印刷代がかかります。
作品画像の表示は必須でこれがないとどんな作品展なのかわからないので、作品画像は必ずつけましょう。
5.プロフィールをつくろう
個展会場に自分がいてもいなくても、プロフィールは必要です。
初めてあなたの作品を見た人が、これはどんな人が作ったのかわかるようにするためです。
プロフィールには顔写真を
プロフィールには顔写真をつけましょう。
証明写真のような固い感じで無表情ではなくて、ニッコリ笑った顔がいいですね。
カメラ目線でなくてもスナップ写真をトリミングして自然な感じで写ったものもいいかもしれません。
要は、感じがいい顔写真ならいいのですが、見た人が不安になるような無表情な写真ならないほうがいいです。
似顔絵イラストや顔写真なしだったら?
顔写真ではなく自分の顔のイラストや顔写真なしでも構いませんが、「あり」と「なし」では作品を見たときの印象がぜんぜん違うのであったほうがいいでしょう。
「イラストの顔」と「実物の顔」では顔写真のほうが見た人が安心するという統計があるぐらいなので、顔写真をお勧めします。
6.作品タイトルカードをつくろう
作品の下か横には、作品タイトルカードを貼り付けます。わかりやすくするためです。
どのぐらいの大きさがちょうどいい?
これはどのぐらいのサイズがいいかというと、私の経験上、写真サイズのL判がちょうどいいです。
ハガキサイズだと見やすいけれどちょっと大きく感じるし、名刺サイズだと字が小さくなるので見にくくなります。
なので、おすすめはL判写真サイズで作ります。
パソコンで作る場合はL判写真サイズ用紙を買って使います。
手書きの場合も同じですが、光沢紙ではなくフォトマット紙にしたほうが描きやすいと思います。
表示項目は?
表示する項目は以下の通り。
- 作品タイトル
- 作家名(個展の時はなくてもいいけど、グループ展のときには必要)
- 技法(アクリルや油彩または水彩など)
- 素材(キャンバスにアクリル絵具など)
- 制作年(西暦で)
作品を販売したい場合は右下あたりに価格を表記したいところですが、観覧者は絶対に作品と価格を見比べてしまうし、〇〇万円と表示されていると拒否感を感じます。
作品というより商品になってしまうので、個人的にはなくてもいいと思います。
作品を売りたい場合は?
作品を売りたい場合は作品タイトルの左に番号を付けるなどわかりやすくして、作品価格リストを作って個展会場のわかりやすい場所に貼っておいてもいいです。
その場合は「ご購入をご希望の方は、作品価格リストをご覧ください」と書いて貼りましょう。
興味があったり欲しいと思った人は価格リストを見ますし、あなたがそこにいる場合は聞いてくるでしょう。
また作品タイトルカードは、ラミネート加工をしておくと今後の展覧会で何回でも使えるので便利です。
公共施設の場合は販売はできません。
でも担当者の了解をとれれば下のような表示ができる場合があるので、一度確認してみてください。
7.名刺をつくろう
これから作家としてもやっていきたい場合は、名刺をつくっておきましょう。
偶然あなたの作品を見て気に入った人がいた場合、例えばその人が展示スペースを持っていたり、あなたの作品を友達に紹介したいと言われたときに名刺があれば連絡が取れます。
次につなげられるチャンスになるかもしれません。
デジタルな時代だけどアナログな名刺も必要
メールやラインでも連絡は取れますが、その人のスマホの中にあなたの情報が埋もれてしまう可能性も高いし、そういう年齢層の人はメールやラインを使ってなかったりします。
デジタルの時代ですが、アナログの手に取って見れる名刺は便利なのでぜひ用意しておきましょう。
名刺には何を書くの?
名刺に表記する内容ですが、これから作品を使って仕事をしていきたいというのであれば住所や電話番号を載せたほうがいいでしょう。
個人情報がどうのこうのということはありますけど、住所や電話番号があったほうが信用度が高まります。
メールアドレス、ブログやホームページアドレスも載せておきましょう。
よほど興味がある人以外はわざわざブログやホームページを見に来ませんけど(笑)でも、絶対に載せておいたほうがいいですね。
スマホが普及した現在では、QRコードで表示しておくと便利かもしれません。
8.無料プレゼントをつくろう
なんでもいいのですが、無料プレゼントを用意しましょう。
ポストカードがおすすめ
一番手頃なのがポストカードです。
自分の作品の中でこれが一番好き!という作品をポストカードにします。もしくは、周りの人がこれがいいんじゃない?という作品。
パソコンとプリンターがあれば自分で印刷してもいいし、大量に作りたい場合は業者さんに発注したほうが楽です。
ポストカードには、自分の作品の画像、自分の名前、ブログかホームページアドレスを載せておきます。
気に入ってもらえればその人の「癒し」にもなる
もしポストカードを気に入ってもらえたら、その人の部屋や冷蔵庫やトイレに飾ってもらえます。
そうするとポストカードがその人の癒しにもなるし、自分の広告にもなるのであなたを印象付けるチャンスにもなります。
ですので、せっかく来てくれたお礼として是非無料のプレゼントを用意しておきましょう。
9.作品の配置を決めよう
展示スペースの図面をもとに、作品のサイズを測ってだいたいの配置を決めておきましょう。
作品の配置をシミュレーションする
なぜ「だいたいの配置」かというと、実際に作品を現地で並べてみると想像とまったく違う場合が多いからです。
でも寸法を測って配置を決めておかないと、展示できる作品数を予測しにくいので面倒でもやりましょう。
二つの展示方法がある
額装して展示するのか、キャンバスのまま展示するのかで展示する作品数が変わってきます。
せっかくだからとたくさん展示したい気持ちもわかりますが、あまりにたくさんの作品を並べすぎると窮屈で見にくくなります。
作品との間隔は30㎝ぐらいは取りたいところです。
ときどき百貨店の画廊などで、一本のワイヤーに作品を縦に2、3点吊るすのを見かけたりしますが、展示即売会みたいになるのでやめましょう。
10.個展のお知らせをしよう
当たり前のことですが、お知らせをしなければふらっと立ち寄った人以外は誰も見に来てくれません。
ですので、案内をすることはとっても大切です。
ソーシャルメディアを使ってお知らせ
今はネット社会なので、ソーシャルメディアを使ってお知らせすることができます。
フェイスブックやツイッターなどで告知していきますが、これらは情報がどんどん更新されていきます。
するとあなたのお知らせが他の情報に埋もれてしまい忘れ去られてしまいます。
ですので、定期的にお知らせしたほうがいいですが、あまり頻繁にすると鬱陶しいので注意しましょう。
DMハガキには「ひとこと」添えよう
ソーシャルメディアを使えば経費が削減できるメリットはありますが、忘れ去られるというデメリットがあります。
送料はかかりますが、DMハガキのほうが手元に置いておけるので記憶に残るので効果的です。
DMハガキを送る場合は印刷したものをそのまま送るのではなくて、何か一言「お時間がございましたら是非お越しください」とか「どうぞよろしくお願い致します」とか一枚一枚に書いてください。
せっかく切手代62円+DM製作費を費やしているのと、大切な時間を使って見に来てく出さることを考えると、心からの一言ぐらいは添えたいところです。
DMハガキを出すタイミングは?
DMハガキを出すタイミングは、20日から1か月前がベストだと思います。
あまり遅くに出すと予定があったりするし、2,3か月前に送ると忘れてしまいますので。
11.作品を梱包しよう
搬入するために作品を梱包しましょう。
作品が額装してある場合は箱に入っているので、特別に梱包する必要はありません。
でも、キャンバスをそのまま展示する場合は作品の表面に傷がつく恐れがあるので梱包する必要があります。
できればエアキャップ(プチプチ)の梱包材で包むのがベストです。
でも全部包むと結構なボリュームになってしまいます。
そんな時は個別に作品のサイズに合ったビニール袋に入れて、同じサイズの作品を向かい合わせてくっつけておけばOKです。
向かい合わせた作品の間に梱包材を挟んでおいてもいいです。
注意事項
注意したいのが作品の表面にニスを塗っている場合です。
湿気の関係と長時間ビニールにくっつけておくと表面にビニールの跡がついてしまうことがあります。
できることなら、梱包するのは搬入日のギリギリにおこなうことをおすすめします。
作品を郵送する場合は、あらかじめお店の人や担当者にいつ届けたらいいのか聞いておきましょう。
12.搬入しよう
さあ、いよいよ搬入です。お店や施設の担当者と注意事項をよく確認して行いましょう。
作品を運ぶときは、お店や施設の備品を傷つけないように慎重に行います。
額の箱や梱包材などはどこに置いたらいいのかも聞いておきます。
☆必要な道具
- 虫ピンと画鋲
- ミニハンマー(虫ピンを打つ時に必要)
- メジャー(5mぐらいあると楽)
- 養生テープ(剥がしても跡が残りにくい)
- タオル(汗かくので)
- 軍手(搬入時とスポットライトを触るため)
- 飲料水(水分補給)
- 水平器(作品をきれいに見せるため)
13.作品を配置してみよう
決めておいた配置図をもとに作品を床に並べていきます。
一通り並べ終わったら落ち着いて眺めてみます。
理想と現実はかなり違う
想像で決めた配置と現地で実際に並べて見た作品とでは、かなりイメージが違っていると思います。
想像通りだったらそれでOKです。
納得いかないときは、自分の感覚で心地よいと思う絵の順番に並べ替えていきます。
納得がいったら作品を取り付けていきますが、その前にメジャーを使ってしっかりとした配置を決めます。
作品と作品とが不自然な間隔になっていないか確かめます。
作品同士があまりにもくっつき過ぎていると窮屈に感じます。
できれば一枚の絵を見たときに他の絵が視界に入らないぐらい離したほうがいいのですがまず無理なので、可能な範囲で離しましょう。
窮屈な感じがしたら思い切って作品を減らす
窮屈になり過ぎたら思い切って展示する作品を減らしましょう。
そうするとスッキリとまとまるときがあります。
DMハガキに載せた絵は引かないでね。
14.作品を取り付けよう
ワイヤーで作品を吊るすときは脚立を使います。おそらくお店や施設にはあると思います。
まずはワイヤーを移動させる
ピクチャーレールのフックにワイヤーを垂らして、作品の中央まで移動させます。
ワイヤーの根元をつまんでから頭を壁にくっつけるような感じで床に置いてある作品に照準を合わせます。
そしてワイヤーを作品の中央にゆっくりと移動させましょう。
(↑上から下を見た写真。こんな感じで中央にワイヤーを移動させます)
作品の中央付近にすべてのワイヤーを配置できたら、いよいよ作品をフックに引っ掛けていきます。
水平器を使いましょう
作品をすべて掛け終わったら、水平器を使って作品の傾きがないようにバランスを取ります。
これは私のこだわりなのですが、作品が傾いて展示されていたら格好悪いし、せっかく一生懸命につくったのに雰囲気が台無しになります。
ですから水平器を使って作品に傾きがないようにきれいに見せましょう。
15.作品タイトルカードを貼り付けよう
虫ピンや画鋲で作品タイトルカードを貼り付けます。
場所によっては虫ピン、画鋲禁止のところがあるので、養生テープならいいか聞いておきましょう。
養生テープの場合はテープを2~4この輪っかにして、カードの裏に貼って壁にくっつけます。
虫ピンでつけるときは、ミニハンマでピンをトントン叩いてカードを付けます。
画鋲でつけるときはグリグリとねじ込むのですが、何回もやっていると指の皮が剥けてくるので軍手をすることをおすすめします。
作品タイトルカードをつける位置は?
貼り付け位置は、次の通り。
- 作品同士の間隔が狭い場合=作品の下の中央、もしくは作品の下の右揃え。
- 作品同士の間隔が広い場合=上記と同じか、もしくは作品の右の下揃え。
絶対にこうしなければならないということではないので参考までに。
16.プロフィールを貼り付けよう
誰がこの作品を作ったのかがわかるようにプロフィールを貼り付けます。
作品を配置した後、意外とプロフィールを貼る場所がなかったりするのであらかじめ決めてめておくといいです。
作家本人が会場にいる場合でもプロフィールは断然あったほうがいいので、必ず貼り付けるようにして下さいね。
そのほかに表示したいもの
17.ライティングをしよう
スポットライトがある場合は、作品に照明を当てます。
作品数が多いとすべてに照明が当たらないので、事前に何個のスポットライトがあるのか確認しておきましょう。
スポットライトを当てる作品を決めておく
作品数よりスポットライトの数が少ないときは、どの作品にライトを当てるかも決めておくと時間が短縮できます。
搬入の時はとにかく時間に追われるので、決めれるものは先に決めておくことをおすすめします。
二つのタイプのスポットライトがある
最近はLEDのスポットライトが増えましたが、そうでない場合はライトが熱を発するので高温になります。
やけどをしますので軍手をして、ライトの向きを変えたときに手首に高温部分が触れるかもしれないので長袖を着たほうがいいです。
LEDライトはそんなに熱を発しないので大丈夫です。多分。
18.自分の居場所をつくろう
展示期間中に作家が会場にいる場合は、できれば所定の居場所があったほうがいいです。
椅子や机を用意してもらいましょう
机や椅子があったら用意してもらいましょう。
机にはDMハガキ、名刺、無料プレゼント、芳名帳などを置いておきます。
もう一つ机があればそちらに置いておきます。
芳名帳は?
私は個人的に芳名帳は置いていません。
お客さんから「ちょっとだけ見るのにわざわざ書くのは面倒だ」と言われることがよくあったので、どうしても次回の展示案内が欲しいという人だけに有志で書いてもらっています。
紙に
「次回の個展の案内をご希望の方は、住所と氏名をご記入ください」
「メッセージやご感想をよろしくお願いします」
と書いて芳名帳またはノートをペンと一緒に置いておけばいいと思います。
来てくれた人にお礼のはがきは出さないのか、というと私は出していません。
出さない分、会場で心を込めて対応します。
それが私のポリシーですが、どうしてもお礼のはがきを出さなければと思う方は出したほうがいいと思います。
もちろん直筆で一言添えて。
19.掃除をしよう
床に額の空箱や梱包材から出たクズ、虫ピンや画鋲が落ちてないかも確認します。
ゴミや埃がなくても、個展期間中はあなたの世界が広がる空間になるのできれいに掃除しましょう。
掃除すると場所の波動が上がりますので。
20.お客さんとコミュニケーションをとりましょう
個展開催!
さあ生まれて初めての個展が始まります!
会場にいる場合は、身だしなみチェックをしましょう。
あまり奇抜な服装はどうかと思いますが、自分らしい感じが出ていたらそれでいいと思います。
ということは普段通りでいいということですね。
口が臭くないか、香水やコロンなどはきつくないかなども一応気を付けたいところです。
口臭予防にガムを噛んでいると印象が悪くなるのでやめましょう。
ニッコリ笑顔でお出迎え
お客さんが来たら「こんにちは~」と笑顔で挨拶しましょう。
最初は緊張しますが、無表情だと相手も緊張して不安になるので笑顔はとっても大切です。
無料プレゼントを渡して
「ごゆっくりどうぞ~。何かありましたら、いつでも呼んでくださいね」
とご案内しましょう。
ベラベラ自分のことばかり話さない
このとき注意したいのが、最初から作品についてベラベラ自分から話し出すと鬱陶しいと思われます。
聞かれたら答えるというスタンスでいましょう。
お客さんを監視しない
お客さんが観覧中のときは自分の居場所でじっとしていましょう。
お客さんのほうをじっと見ているとリラックスして作品を見ていられないので、監視しないようにします。
読書したりスマホをしたりしていてもいいのですが、我を忘れて自分の世界に入り込まないように注意します。
お客さんを何気なくチラチラ見て気を配りながら過ごします。
お客さんがこちらを見たり、何か聞きたそうな感じがしたらすぐに行きましょう。
聞かれたことには簡潔に説明し、話をラグビーのように一人で持っていってしまわないように注意します。
金魚のフンのようにいつまでもお客さんにくっつくのは避けましょう。
ある程度会話をしたら
「また何かありましたらいつでも呼んでくださいね」
と声をかけてその場を去って自分の居場所に戻ります。
お客さんがゆっくり作品を観覧できる雰囲気づくりをすることが一番大切です。
気持ち良いお見送りを
帰るお客さんに対しては
「どうもありがとうございました。これからもよろしくお願いします」
「お気をつけてお帰り下さい」
とお礼を言って見送りましょう。
知らん顔で無言だと非常に感じが悪いです。
そんなふうだと次からは来てもらえませんので注意しましょう。
個展をするに当たってとても大切な考え方
私の持論ですが、個展を見に来てくれる人というのは貴重な時間を使ってわざわざ会場に足を運んでくれているということです。
一日のうちの午前か午後をまるまる使わなければ会場まで来ることができません。
自動車や交通機関を使って、お金を使って来てくれます。
個展に来る人たちはあなたの作品を見たい人だけではなくて、あなたを応援するために来てくれる人も大勢います。
ただあなたに会いに来てくれるだけの人もいます。
もっと言うと、人生は生まれてから死ぬまで何千時間かわかりませんが、決められた時間を与えられています。
そのうち3分の1は睡眠に使っているので、実質的に行動できる時間は3分の2ぐらいしかありません。
その人の人生の貴重な時間(=命)をあなたの個展のためにわざわざ使って来てくれているということを忘れてはいけません。
だから、心を込めて笑顔で対応しなければならないのです。
「来てよかった」
と言ってもらえるようになりたいですね。
作品が売れた場合は
「初心者からはじめる 作品を販売する方法」
をご覧ください。
21.搬出しよう
個展は終了しました。お疲れ様でした!
色んな人に出会って感想をもらえたことで、作品に対する自信もついたのではないでしょうか?
また客観的な意見を聞くことで、今後の創作活動の参考にもなったのではないでしょうか?
さっさと後片付け
時間になったら搬出を開始します。
作品を箱に入れたり梱包材で包みます。
取り付けたカードや案内などをきれいに剥がして、ピンや画鋲が落ちてないようにします。
作品をすべて運び出したら、お店の人や担当者に搬入の終了を伝えましょう。
点検してもらいOKが出たら、お礼を言って帰ります。
無事に個展が終了~
夜は乾杯といきたいところですね。
これで個展はすべて終了しました。
お疲れさまでした!
そして、初めての個展が完了しておめでとうございます!
22.次の個展に向けて考えよう
今回個展をすることで、読んだだけではわからなかった多くの収穫があったともいます。
改善したい点や、こうしたらもっと面白くなるというアイデアも浮かんでくると思います。
個展は素晴らしい
個展はあなたのすべてを出すことができる贅沢な時間と場所です。
だからこれからも工夫を凝らして、作る人も見る人も楽しめる機会を作っていきましょう!
新たな価値観を提供していきましょう!
あなたのすべてを最大限に活かして表現しましょう!