こんにちは。「心を癒す」がテーマの画家ハナムラ・ヒロユキです。
今回は、ブラジルの詩人アデマール・デ・パロスが作った詩をご紹介します。
「浜辺の足跡」ともいわれています。
神われらと共に
夢を見た
クリスマスの夜
浜辺を歩いていた
主と並んで
砂の上に二人の足が
二人の足跡を残していった
私のそれと 主のそれと
ふと思った
夢の中でのことだ
この一足一足は
私の生涯の一日一日を示していると
立ち止って後ろを振り返った
足跡はずっと遠く見えなくなるところまで続いている
ところが 一つのことに気づいた
ところどころ二人の足跡ではなく
一人の足跡しかない
私の生涯が走馬燈のように思い出された
何という驚き
一人の足跡しかないところは
生涯で一番暗かった日とぴったりと合う
苦闘の日
悪を望んだ日
利己主義の日
不機嫌の日
やりきれない日
自分にやりきれなくなった日
そこで主のほうに向き直って
あえて文句を言った
あなたは、
日々私たちと共にいると約束されたではありませんか
なぜ約束を守ってくださらなかったのか
どうして
人生の危機にあった私を一人で放っておかれたのか
まさにあなたの存在が必要だったときに
ところが 主は私に答えて言われた
友よ
砂の上に一人の足跡しか見えない日
それは私が君を負ぶって歩いた日なのだよ
アデマール・デ・パロス
いつも一人じゃない
この詩からわかるのが、いつも一人ぼっちで悩んで迷って苦しんでいるけれど、実はそうじゃないんだよっていう意味が込められています。
ネガティブなときというのは、まわりが見えていなくて盲目的になっています。
まわりは明るいのにもかかわらず、自分で暗い煙を体中に巻いてふさぎ込んでしまっている状態で、自分自身しか見えていません。
太陽は毎日24時間照っているけれど、雨雲があるので「今日は曇っていて暗い」といっているのと同じです。
「見えない存在は信じることができない」という人もいますが、自分が知らないだけで陰で支えてくれたり応援してくれている人はいるのです。
自分がネガティブなときやポジティブなときにかかわらず、実は負ぶってもらっているのだと気づけないときが多いです。
つらいとき、ネガティブな気分になったときは、
「実は、一人じゃないんだ。今は負んぶしてもらってんだ。じゃあ、抱っこもしてもらおう」
と思えるといいですね。