空手人生で遭遇したとっても痛い話

空手 国体

こんにちは。「心を癒す」がテーマの画家ハナムラ・ヒロユキです。

私は3歳の頃から現在まで空手を続けてきました。

今回は自分の体験も踏まえて、空手の痛い話を書きました。

目次

 

二度あることは三度ある骨折

高校3年生の夏のインターハイ予選の準決勝で、私は相手の顔面を強打したら自分の右手(中手骨)をボキッと骨折しました。

ものすごい激痛で、夜には手がパンパンに腫れ上がってました。

次の日、母に連れられて整形外科に行ったら

「これは手術したほうがいいね」

と言われて次の日に入院。

翌日夕方に手術をして手に2本の真鍮のようなピンを入れました

しかも骨が接着した後にピンを抜きやすいということで、2カ月ぐらい皮膚からピンの頭が突き出ていたのでずっと包帯を巻いていました。

 

そして、ピンを抜く日。

先生と看護師さんが私の手を押さえつけて、先生がペンチで私の手から出ているピンをグイっとつかんで一気に引き抜きました。

その鈍い感覚はなんとも、痛いような痛くないような気持ちが悪い感じがしました。

例えると、居酒屋で焼き鳥を注文して、一本をみんなでシェアするために箸で肉を押さえつけて串を引き抜くときがありますが、その時の焼き鳥の気持ちがわかったような気がしました。

 

その2カ月後、先生は

「もう試合出ても大丈夫だよ」

といったので、それを信じて福岡での全国大会に出ました。

3回戦ぐらいのときに相手の顔の頬骨をパンチしてしまったとき「ボキっ!」と鈍い音がして、同じところが再び折れたのがわかりました。

そのとき、心も一緒に折れました。

悲しみに暮れながら、一人で新幹線に乗って帰宅したことを思い出します。

 

2度あることは3度あるといいますが、本当でした。

大学生になって東海大会に出たら、また同じところをボキっ!と折ってしまいました。

「骨の耐久性がパンチ力には適わなかったんだね」と称賛してくれる人もいましたが、「ただ単に骨がもろかっただけなんじゃないの?」という意見もちらほらありました。

カルシウムが不足していたのかもしれません。

 

膝ブロックで足の骨が裂ける

大学3年生の時、引退直前の4年生との「さよなら組手」をしていた時の話。

雨が降っている日で、床は湿っていて滑りやすかったことを覚えています。

 

大変お世話になった先輩なので、思いっきり蹴っ飛ばしてやろうと思いました。

これでも喰らえ!と思い、私は鋭い中段前蹴りをお見舞いしました。

すると先輩は足を上げて膝でブロックしたので、タイミングがズレて右足親指の付け根辺りに激しい痛みが走りました。

お見舞いしてやるつもりが、お見舞いされてしまいました。

 

その後、激痛をこらえながら何人かの先輩方と最後の組手をして終了しました。

 

夕方からは幹部交代式があるので、これまた激痛をこらえながら料亭まで足を引きずっていきました。

酒を飲んだが最後、地獄への切符を手にしました。

ものすごい痛みだったので合宿所には泊まらずに、友達におんぶしてもらい電車で帰宅しました。

が、終電だったので途中で止まってしまいました。

仕方なく友達の家に泊めてもらい、激痛に耐えながら朝を迎えました。

 

翌日外科でレントゲンを撮ってもらったら、親指の付け根の骨が裂きイカのように縦に裂けていたことがわかりました。

だから痛いはずだ・・・。

単位が足りなかったので松葉杖をつきながら2カ月ぐらい頑張って、2時間の通学をしていたことを思い出します。

 

ちなみに、駅の階段を松葉杖で上るときはいいのですが、降りるときはものすごい恐怖を感じるものだということがよくわかりました。

 

反則攻撃で右顔面が凹む

大学4年生の最後の東海大会。

団体戦でのこと。

「止め」がかかったので元の位置に戻ろうとした瞬間、相手(180㎝ぐらいあった)が興奮して私をつかんで倒し馬乗りになりました。

「何するんだ!」と思った瞬間、相手の強烈なパンチが私の右目辺りを直撃。

右目の下の骨が「バキッ!!」と音を立てました。

一瞬気絶しましたが何とか持ち堪えて起き上がりました。

 

こんなときっていつも同じで不思議なんですが、漫画みたいに頭の周りをヒヨコがピヨピヨ鳴きながら飛んでいて、星がキラキラして回っているんです。

 

試合が再開して相手を見ると、なんと相手が二人に見えるではありませんか!

分身の術か!!

右目が動かなかったみたいで、見え方がおかしかったんですね。

どっちの相手に攻撃すればいいのか迷いましたが、両方に攻撃したら勝てました。

 

午後は個人戦で、右目を閉じて左目だけで決勝戦まで行きましたがうっかりしていたら負けました。

決勝戦で負けるのが一番悔しいんですよね・・・。

私はいつも2位ばかりでした・・・。

それで、右目の下の鼻の横辺りが今でもちょっと陥没しています。

おかげでちょっと鼻が高くなりました。

 

指から突き出ている黄色いものは何ですか?

高校生のとき遠征試合に行きました。

練習中に外に出ると、ある一人の男子生徒が顔をゆがめて立っていました。

彼は手を押さえていました。

救急車がやって来て、彼は救急救命士に手を見せていました。

ふと見ると、親指付近から何か黄色っぽい尖ったものが・・・。

これって、骨・・・

解放骨折だったようで、すぐさま救急車で運ばれていきました。

あの光景は今でも脳裏に焼き付いています。

怖~~~~。

 

下唇から突き出ている白いものは何ですか?

大学4年生の夏ごろ、大阪で行われる全国大会と並行して東西対抗戦が行われました。

私は東海地区代表として東軍で出場しました。

東西対抗戦は3人抜きというルールがあって、3回まで勝ちすすめます。

両軍とも30人近くいたような気がします。

 

私の順番は真ん中あたりでした。

段々と順番が回って来て、私の前の選手は小柄でしたが敵は185㎝ぐらいの鬼みたいな怖い顔をした大男でした。

ドキドキしながらその試合を眺めていました。

 

その瞬間、大男が上段廻し蹴りを繰り出すと小柄な選手の口元にヒットしました。

小柄な選手は口元を押さえて審判に「タイム!」のポーズをした瞬間、下唇のあたりから何か白いものが突き出ているのが見えました。

 

そ、それって・・・、まさか・・・、歯・・・?

 

ウソだろ・・・、オレもこうなる運命なのか・・・。

私は恐怖で震えあがり一目散に走って逃げるか、幽体離脱してその場を去るか、もしくは気絶するかを本気で考えていました。

マウスピースを付けているのは上の歯だけなので、下の歯は無防備です。

後ろの人に借りるわけにもいかないしなぁ・・・と不安になっていました。

 

ドクターストップのあと大男は反則負けとなり、私は命拾いしてホッとしました。

そのあと私は西日本チャンピオンと対戦することとなり、さらっとストレート負けして気持ちよく試合を終えることができました。

我ながら臆病だなぁ~、北斗の拳の時代だったらオレなんか間違いなくザコだよなぁ~なんて思いました。

 

クリーンヒットでノックダウン

大学2年生の時の試合で、2つ上のT也先輩という人が元近畿大学主将の貫名信行さん(現在・育英館ルーマニアの師範)と当たりました。

貫名さんは強すぎるので、T也先輩はどんな負け方をするんだろうと後ろで見ていました。

勝負開始の数秒後、上段のワンツーのあとの上段廻し蹴りがT也先輩の顎をクリーンヒットしました。

すると、T也先輩は木こりが切った木のようにスローモーションでまっすぐ後ろに倒れていきました

知らない人も多いかもしれませんが、西部警察のオープニングで大きなエントツが倒れるシーンがあるのですが、まさにそれにそっくりでした。

 

先輩、大丈夫ですか!?と倒れているT也先輩の顔を見たら、眼を開いたまま遠くを見ているような無表情な顔をしていたので、これマネキン?と思ったぐらいでした。

T也先輩は、授業中に居眠りをしていて急に起こされた高校生のような気だるい感じでコートをあとにしました。

 

後輩、顎を砕かれる

私が大学3年生の時の話。

後輩のT君は、主将のF先輩のことがなぜか大嫌いでした。

ボクシングの辰吉丈一郎が大好きなT君は「F先輩をぶっ潰す」と意気込んで、ボクサースタイルでF先輩に立ち向かいました。

T君の挑発的な態度に腹を立てたF先輩はT君に一撃を食らわすと、T君は再起不能で動けなくなってしまいました。

 

後日病院で検査した結果、顎の付け根を砕かれたようで2カ月ぐらい矯正器具のようなもので顎が開かないように上の歯と下の歯を固定していました。

普段から何を言っているのかよくわからないT君でしたが、顎を固定したので更に何が言いたいのかわからなくなってしまいました。

その間T君は歯の隙間から流動食で栄養を取っていたようです。

一撃必殺の空手の怖さを知りました。

 

足刀

岐阜の高山で空手を指導しているM先輩は、

「妻の足を触ろうとすると足刀が飛んでくる!

と言って嘆いていました。

恐るべし。

ABOUTこの記事をかいた人

フリーランスの画家として活動しています。 愛知大学卒業後、青年海外協力隊で南米ボリビアの首都ラ・パスの国家警察学校で空手に当たる。現地で絵を描く楽しさを知り、帰国後独学で技法を学ぶ。その後、創作活動をして個展を開催する傍ら、ラオス、スリランカ、エルサルバドル、フィジーに空手の指導に当たる。今までの経験を創作に活かし「明るく、楽しく、やさしい絵」をモットーに元気に活動中。