後悔のないように生きると決めたある男の物語

リグレット

後悔 骸骨 蝶々

 

作品詳細

タイトル:リグレット
制作年:2015年
サイズ:91.0 x 91.0 cm
素材、技法:キャンバスにアクリル

 

作品のストーリー

ある男がこの世での人生を終えて、あの世に旅立ちました。

男は天に昇りながら、自分の体が軽くなって生き生きしてきたことに喜びを感じていました。

 

天国の入口にある門に到着すると天使が待っていました。

 

男は天使と一緒にゴシック調の素晴らしく芸術的な建物の中に案内されました。

 

天使はいいました。

「今回の人生、どうもお疲れさまでした」

 

男性は安どの表情を浮かべてくつろぎました。

 

「天使様、私は今から天国に入って楽に過ごすことができるのでしょうか」

 

「はい、もちろんです。あなたは人生を一生懸命に生きてきましたから、しばらくの間休息が必要です。でも、その前に今回の人生を振り返る必要があるので、少しの時間ですが私と一緒に今回のあなたの人生のハイライトを見てみましょう」

 

と天使はいいました。

 

生前の男の人生に起こった様々な出来事がハイライトで空中に映像として映し出されました。

 

一通り見終わってから天使は

 

「では次に、今回の人生であなたの希望が実現することができた可能性を見ていきたいと思います」

 

というと、先ほどの様々な人生の場面から枝分かれするかのように、その時その時に実現できたはずの状況が次々と映し出されました。

 

男はその映像を見て愕然としました。

 

今回の人生でやりたかったけれど無理だと信じて結局やらなかったことが、この映像では次々と達成し実現されていく様子が映し出されていたからです。

華々しい人生を謳歌している自分の姿を見ることができました。

この男は生前、自分が変わることを恐れていました。

結局はやってもどうせダメだろうと最初からあきらめて何もしませんでした。

失敗を恐れながら、難なく人生を終えたのでした。

 

男性はあらゆる可能性を否定してきた自分の生き方を後悔して泣きました。

 

天使はいいました。

「いかがでしたか?考え方と行動次第で、人生は楽しくもなるしつまらなくもなります。冒険すれば痛みは伴うかもしれませんが、それ以上に大きな喜びがあります。でも失敗を恐れて何もしなければ、心も体も傷つくことはありませんが収穫が殆どない人生で終わってしまいます」

 

その後、男はしばらく天国で休んだあと、次はもっと実りのある人生にしようと決めました。

 

青虫がサナギになり羽化して蝶のように羽ばたいていくように、男性も次の人生へと旅立って行くようすを天使は静かに見つめていました。

 

 

この作品への思いとモチーフについて

骸骨

私が中学1年生の時に母が

「あなたは長男だから私たち親に何かあった時のためにしっかりしていてほしいから」

とのことで母のいとこの葬式に連れていかれました。

そこで生まれてはじめて遺体を見ました。

火葬場に行って数時間後には白骨体となって出てきて、死ぬってことはこういうことなんだ、と実感しました。

真っ白な頭蓋骨を見て、中学生になったばかりの私は衝撃を受けました。

それから「死」というものについてよく考えるようになりました。

 

蝶々

蝶々は生まれ変わりの象徴のような虫です。

この思想を知ったのは、アメリカの精神科医である故エリザベス・キュブラー・ロス博士の本を読むようになってからです。

印象的だったのがロス博士がアウシュビッツを訪問した時のこと。

壁には死を予感した子どもたちが蝶々を描いていたといいます。

小児病棟にもいたことがあるロス博士は、死が近い子どもたちが描く絵には蝶々が多いことを知っています。

人間というのは本能的に死んだら消えてお終いになってしまうのではなく、生まれて青虫のように栄養を吸収して動き回り、晩年は次の次元への準備段階として老化・病気になりサナギのような状態に変化し、最後には違う姿になって別の次元に飛び立つとわかっているのだと書いてありました。

その思想が大好きなので、私はよく蝶々を描くのです。

後悔 骸骨 蝶々

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フリーランスの画家として活動しています。 愛知大学卒業後、青年海外協力隊で南米ボリビアの首都ラ・パスの国家警察学校で空手に当たる。現地で絵を描く楽しさを知り、帰国後独学で技法を学ぶ。その後、創作活動をして個展を開催する傍ら、ラオス、スリランカ、エルサルバドル、フィジーに空手の指導に当たる。今までの経験を創作に活かし「明るく、楽しく、やさしい絵」をモットーに元気に活動中。