サンドバッグは 実はサンドバッグではなかった理由

青年海外協力隊 空手 サンドバッグ

こんにちは。「心を癒す」がテーマの画家ハナムラ・ヒロユキです。

私は青年海外協力隊でボリビアに赴任していて、空手の指導をしていました。

詳しくは、「青年海外協力隊で経験した ボリビア国家警察学校での面白い話」「プロフィール」をご覧ください。

自己鍛錬するためにサンドバッグを使用して鍛えたのですが、サンドバッグの定義に疑問を感じて調べてみると驚くべき結果があったということをお伝えします。

 

サンドバッグで拳を鍛えたい!

標高が高いボリビアのラ・パスの生活にも随分と慣れてきたころに、もっと身体を鍛えて強くならなければ!と思うようになりました。

打撃系の格闘技といえばサンドバッグが基本です。

是非サンドバッグを買いたい!と思いました。

が、ここは開発途上国で日本のようにどこでもなんでも手に入るという環境ではありません。

欲しいものは自分から探さなければ得られません。

 

サンドバッグを探す日々

ラ・パスの中心街にあるスポーツ用品店にはサンドバッグはありませんでした。

というか、

「サンドバッグある?」

て訊くと

「????」

という感じだったので、メモ帳にサンドバッグのイラストを描くと

「ない」

と教えてくれました。

だったら市場に行けば色々あるから、もしかしたら見つかるかもと思いました。

1週間ぐらい探してやっとサンドバッグを見つけることができました。

が、中身は入っていませんでした。

結構値段が高かった記憶があるのですが、でも買うことにしました。

 

サンドバッグの中には何を入れるの?

家にはサンドバッグを吊るせないので、隊員連絡所という協力隊員が集まる施設の一部屋に吊るすことにしました。

それで、中身は何を入れるんだっけ・・・。

サンドっていうぐらいだから、だよな。

と思い、あちこちから砂をビニール袋に入れて集めてきたのですが、なかなかバッグの中は砂で満たされません。

大量の砂が必要なのです。

でも砂が見つからなくなってきたので、土でもいいかななどと思いビニール袋に土を詰めてサンドバッグの中に入れました。

 

でも、まだまだサンドバッグは膨らみません。

 

日は刻々と過ぎていきます。

とにかく中身を増やそうとやけくそになり、毎朝飲んでいたコーヒー豆のカスやら要らなくなった布切れなどを次々と入れていきました。

 

そんなことをしているうちに、段々とサンドバッグは出産前の女性のようにふくよかになってきました。

 

中身が半分になって、しかも硬くなる

もうこれぐらいでいいかなと思い、いよいよ正拳突きや廻し蹴りの空手技をサンドバッグに繰り出す時がやって来ました。

 

数日間突いたり蹴ったりしているうちにサンドバッグの内部の密度が上がって、中身が半分ぐらいになってしまいました。

そして、すごく硬くなってきました。

 

これはまずいと思い、更に数日かけてまた砂や土を入れて増量していきました。

 

繰り返し突いたり蹴ったりしているうちに、サンドバッグは石のように硬くなりました。

 

最初は鍛錬だと思い一生懸命に突き蹴りを繰り返していましたが、ものすごく痛いので段々と心が折れてきました。

突き蹴りの回数が減ることに比例して、攻撃してこない相手を痛めつけるのは武士道に反するのではないかとやさしい心が芽生えるようになってきました。

 

それ以来、サンドバッグは一日三度叩いて終わる日々が続きました。

 

サンドバッグって英語で何て言うの?

そんなあるとき、サンドバッグって英語でもサンドバッグって言うんだっけ?と疑問を感じ調べてみました。

すると、

 

 

サンドバッグ = punch bag

 

 

と書いてありました。

 

パンチって・・・、サンドじゃないのか・・・!?

 

と騙されたような気分になりました。

 

ジャパニーズ英語じゃないか!

 

と激昂しましたが、怒りをサンドバッグに向けると手の骨が折れて即帰国となるので気を収めることに集中しました。

 

それ以来、言葉を鵜呑みにすることはせず、よく調べてから行動するようになりました。

 

サンドバッグとの別れ

その後、そのサンドバッグはどうなったかというと、邪魔だというクレームがあり暗い倉庫へ移されました。

 

私はときどきサンドバッグを少し叩いたりしましたが、段々と疎遠になってきました。

 

帰国の半年前には、ときどき倉庫の扉を開けて電気をつけて一瞬眺めるだけになってしまいました。

まるで服役中の囚人に会いに行くような感じでした。

 

帰国が近づくにつれて隊員連絡所の「要らないものリスト」に載ってしまい持って帰れないので、仕方なく警察学校に寄付することにしました。

 

サンドバッグの引き渡しの日、警察官が4人がかりで非常に重たいサンドバッグを抱えてトラックに積み込む様子を遠くから眺めていました。

 

色々な思い出が詰まったサンドバッグ・・・。

 

サンドバッグとの痛い思い出が、走馬灯のように頭の中を駆け巡りました。

 

私は心の中でつぶやきました。

 

「来るもの拒まず、去る者追わず。バイバイ・・・」

 

サンドバッグは、今も警察学校でしばかれているのかは誰も知る余地もありません。

 

まとめ

サンドバッグは、英語でサンドではなくパンチバッグ

砂は入れません。

土も入れません。

コーヒー豆のカスとかも入れてはいけません

パンチバッグには、スポンジを入れるのである

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フリーランスの画家として活動しています。 愛知大学卒業後、青年海外協力隊で南米ボリビアの首都ラ・パスの国家警察学校で空手に当たる。現地で絵を描く楽しさを知り、帰国後独学で技法を学ぶ。その後、創作活動をして個展を開催する傍ら、ラオス、スリランカ、エルサルバドル、フィジーに空手の指導に当たる。今までの経験を創作に活かし「明るく、楽しく、やさしい絵」をモットーに元気に活動中。