青年海外協力隊で経験した ボリビアでの面白い話

「心を癒す」がテーマの画家ハナムラ・ヒロユキです。

私が2000年かから2002年まで、青年海外協力隊でボリビアで体験したことを書きました。

日本では体験できないことばかりで、驚きと好奇心でいっぱいの2年間でした。

こんな体験をしてきたということを綴りましたので、ご覧ください。

目次

 

手招き

道を歩いていると向こう側に座っているインディオのお婆さんと目が合いました。

 

あまりにも深刻な顔をして僕に手招きをしているので、
私は何か困ったことでもあるのかと思いお婆さんに近寄ってみました。

 

すると

 

「あっちに行け!」

 

と言われました・・・。

 

そうでした、手招きのゼスチュアは外国では日本とは反対の意味になるのです。

 

東洋人に対する軽い人種差別を受けたのですが、
自分のとった行動には笑えました。

 

 

鳩にパンをやる

協力隊の同僚であるBさんに聞いたお話です。

 

Bさんは赴任先にある公園で、
固くて食べられなくなったパンを千切って鳩にやっていました。

 

その様子を近くでじっと見ていた男の子いました。

 

Bさんはこの男の子も鳩にパンをやりたいのだと思い、
男の子にパンを手渡しました。

 

すると男の子は、
その固いパンをぺろりと食べてしまいました

 

お腹が空いていたのです。

 

面白いけど笑えない、
日本では考えられない話ですね。

 

とても考えさせられました。

 

 

鼓膜事件

協力隊で看護士として活動しいている日本人女性Tさんから聞いたお話。

 

Tさんはいつものように病院で働いていました。

 

Tさんの横ではボリビア人看護師が
患者の耳の中をライトで照らして検査していました。

 

すると突然、
ボリビア人看護師がビックリして目を丸くしていました。

 

Tさんは驚き、
何事かと彼女に理由を聞きました。

 

彼女は叫ぶように答えました。

 

「こっちの耳の穴から向こう側が見える!!」

 

Tさん「!!!!!!!」

 

Tさんはビックリして信じられない思いで検査しましたが
特別に何も異常はありませんでした。

 

鼓膜というのは光を当てると反射して光るらしいのですが、
ボリビア人看護師はそれを向こう側の景色の光と勘違いしたようです・・・。

 

看護師なのに
それほどの知識もないというのにも驚きました。

 

でも一番驚いたのは、
それを聞いた患者だったのではないかと思います。

 

 

悪臭タクシー

警察学校での仕事が終わったある日の夕方、
私は帰宅するため乗り合いタクシーに乗りました。

 

タクシーには、
運転手と中年女性が先に乗っていました。

 

私は後部座席に乗ると車内では何やら
動物の排泄物の臭いが漂っていました。

 

私は、もしかしてこの二人のどちらかが
漏らしているのでは・・・
と憂鬱になりながら早く家に着いて欲しいと思っていました。

 

途中で中年女性が降りました。

 

しかし車内ではまだ悪臭が漂っています。

 

私は窓を全開にしました。

 

これは運転手に間違いないなと確信して
私は自宅前でタクシーから降りました。

 

あんな最低悪臭タクシーに
よくぞここまで頑張って乗って来たと自分を褒めてあげたい気分でした。

 

自宅に向かい一歩踏み出すと、
靴の裏がヌルっとした感覚が体内を響き渡りました。

 

なんだこれは?とよく見ると

なんと自分の靴の裏にウンチが!!!

 

多分、あの運転手と中年女性は
漏らした東洋人を乗り合わせてしまい最悪だった
と後悔していたことだろうと思います。

 

催涙ガスの威力

2018年現在のボリビアは政情が安定していますが、
私がいた2001年は政情不安定で町の中心部ではデモ行進が頻繁に行われていました。

 

デモ行進はだいたい昼休み頃から始まります。

 

最初はみんなニコニコしてデモ行進しているのですが、
少数の人たちがヒートすると段々とみんなつられてヒートアップしていきます。

 

それを鎮圧するためにデモ行進前には
いつも警察の機動隊が待機しています。

 

そしてデモ隊が暴徒化し始めると
警察は鎮圧するために催涙弾をぶっ放します。

 

催涙弾が専用の銃から発射されるときは
「スポンッ!」と音がします。

 

撃ち方にコツがあるようで、
最初はデモ隊の上空に向かって一発放ち、
その次にデモ隊の足元を狙って一発放ちます。

 

上からと下からと攻めていくと効果的なようです。

 

 

昼休みごろに中心部を歩いていると
いつの間にかデモ行進の中に自分が混じっていることがよくありました。

 

するといきなり知っている警察官たちが押し寄せてきて
催涙弾をぶっ放し始めます。

 

これはまずいと思い
私はその場を離れるのですが時すでに遅し。

 

催涙弾の煙はあたり一面を包み込むので
その煙を吸ったらしばらく苦しまなければならなりません。

 

主な症状として

  • 目が痛くなって涙が止まらなくなる
  • 咳やくしゃみが止まらなくなる
  • 鼻水が止まらない
  • 喉や鼻の奥に激痛が走る

 

などがあります。

 

もろに煙を吸い込むと死にはしませんが
ひどく苦しむ羽目になります。

 

この煙は皮膚からは吸収されず、
鼻の奥の粘膜などから吸収されるので
ガスマスクをつけていれば大丈夫です。

 

ですが、ガスマスクを持ち歩くわけにもいかないので
デモが始まったらそこから逃げるべし。

 

警察側に行けば安全かというとそうでもありません。

 

なぜかというと
デモ隊の暴徒たちが石を投げてくるからです。

 

一度自分に向かってこぶしぐらいの大きさの石が飛んできたときは
恐怖で身動きが取れませんでした。

 

石が飛んでくるのがスローモーションに見えるのです。

 

運よく当たりませんでしたが、
気を付けようと思いました。

 

というか、店から出たら暴動が起こっていたので
防ぎようがありませんでした。

 

もしかすると、個人的に私に恨みを持っていた人が
石を投げたのかも(笑)

 

 

日本ではありえない出来事でした。

 

おまけで付け加えると、
政情不安定なときは全国規模で道路封鎖が起きました。

 

首都につながる幹線道路は
農民たちによって石や瓦礫などで封鎖されます。

 

すると首都には物資が入ってこなくなるので
民衆は非常に困ってしまいます。

 

地方に旅行に行って
いきなり道路封鎖が始まってしまい
しばらく帰ってこれなかった協力隊員も何人かいました。

 

ですのでJICA(国際協力機構)事務所からは
「何が起こるかわからないので、常に危機管理をしておくように」
と教えられていました。

 

道路封鎖があると野菜(特にトマト)が
いつもの4倍以上の値段で売っていたことを覚えています。

 

そしてこのようなデモ隊との衝突などの様子が日本のニュースで流されると
「そっちは大丈夫なのか!?」
と心配して連絡が来たりしますが、
中心部以外は至って平和な日常生活が続いていたりします。

 

「それ」だけ見ると「それ」がすべてだと思ってしまうので、
どのような場面がニュースで流されるかが
とても重要なんだなと思いました。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

フリーランスの画家として活動しています。 愛知大学卒業後、青年海外協力隊で南米ボリビアの首都ラ・パスの国家警察学校で空手に当たる。現地で絵を描く楽しさを知り、帰国後独学で技法を学ぶ。その後、創作活動をして個展を開催する傍ら、ラオス、スリランカ、エルサルバドル、フィジーに空手の指導に当たる。今までの経験を創作に活かし「明るく、楽しく、やさしい絵」をモットーに元気に活動中。