ビビンバについてくるスープの意味って、考えたことありますか?
最近、このビビンバを見て思い出したことがあります。
それは、大学生時代の話です。
私たち空手部の同期生は全員で7人、そのうち一人は韓国からの留学生でした。
彼の名は、チェ・ヒョンといいます。
韓国は徴兵制度があるので、チェ君は徴兵を終えてから日本にやってきました。
軍隊で鍛えられたので、とても礼儀正しく、自分に厳しく人にも厳しい人でした。
私とは、まるで正反対の人です。
そんなチェ君と練習を終えてから、みんなで焼肉を食べに行くことになりました。
私は通称「花村焼き」といって、ホルモン以外は10~20パーセントぐらい焼けると食べてしまいます。
そのぐらいが一番肉が美味しいと思っているので、表面が軽く焼けたらすぐにペロリと食べてしまうのです。
すると、それを見たチェ君は激怒しました。
「バカヤロー!花村。焼ける前に食う奴があるかー!」
焼肉の本場から来たチェ君にはそれが許せなかったらしく、私はお叱りを受けて花村焼きは仕方なく中止となりました。
焼肉も終盤になり、ご飯ものを、とのことで私はビビンバを注文しました。
私は高校生の時からビビンバのスープの意味がわからず、ずっと不思議に思っていました。
もしかすると鰻の「ひつまぶし」のように、半分食べたらスープを注いで食べるのかと思いました。
私はおもむろにビビンバにスープを注ぎました。
すると・・・・
バシッ!!!!!!!!
ものすごい勢いで、チェ君に頭を叩かれました!
私は
第三次世界大戦が始まったのか!!??
と思い顔を上げると、チェ君の目は充血していて本気で怒っていました・・・。
「バカヤロー!!!花村!お前、そんなことしたら、お茶漬けじゃねえか!!!!」
とハングル訛りで叱咤されました。
お茶漬け知ってるんだ・・・・
とちょっと感心しましたが、ここで私が
「これが料理の国際化ってもんだ!!!!」
と反撃すると、ビビンバが原因で第三次世界大戦が勃発してしまうので、私は我慢し大人しく食べたのでした。
それ以来、ビビンバにスープを注いだことはありません。
トラウマになってますから。
ビビンバには、そんなコチュジャンのような辛い思い出があったのでした。
ちなみに、チェ君から聞いた徴兵の話ですが、軍隊ではヘルメットに焼酎を注がれて、それを一気飲みさせられるそうです。
瓶ビール一気飲みレベルで参っている私たちは、恐れ入ってしまいました。
そのチェ君は、現在は結婚してアメリカに住んでいるとのことです。
でも、いつかチェ君と再会した折には彼を焼肉に招待し、私は軍隊のヘルメットを装着してから、彼のビビンバにスープをぶっ掛けて差し上げようと思っています。
現在も、ビビンバに付いてくるスープは謎のままです。