フィジー日記・その19

マングローブガニ

2007年12月21日

(写真)最後のマングローブガニ

これがマングローブガニです。

市場に行ったときは、三匹重ねて、紐で縛ってあったのでおとなしいカニかと思いました。

家に帰って、カニを鍋に入れようとしたら入らなかったので、仕方なく紐を切りました。

すると、ザリガニがハサミを広げるように威嚇してきたのでビックリしました。

取り押さえようとしたのですが、なかなか隙を見せないので、両者互角の戦いが続いたのでした。

そういえば、と思い、文具のハサミを持ち出しハサミをハサミで挟んで鍋に入れ、無事終了しました。

マングローブガニが鍋の中で茹だるのを見て、こんな狂暴なカニをあまり食べる気がしないな、と思いましたが、お腹がすいたので食べることにしました。

味はワタリガニのようで美味しかったのですが、マングローブの泥の中にいるカニですから泥臭さがありました。

3日続けてこのカニを食べる気にならなかったので、もう一匹茹でて食べました。

最後の一匹は一番大きくて強そうだったのですが、縛ったままにしておくと死んでしまうと思ったので、紐を解きました。

すると、3匹の中で一番狂暴で、バケツの中に入れるのにかなりてこずりました。水を入れてキッチンに一晩置いておきました。

 

朝起きてバケツの中を見ると、なんとカニが消えていました。

キッチンは外に通じる穴はどこにもないので、ここから出られるわけがありません。

あちこち探し回ったのですが、どこにもカニの姿は見つかりませんでした。

まさか、鍵を開けて扉から出て行ったのかも・・と一瞬思ったのですが、あのカニ味噌の量からするとそれほど知能があるとは考えられません。

数分後、流し台の下でガタガタっと音がしたので見てみると、ここに隠れていました。

前日のようにハサミにはハサミで対抗し、何とかバケツに追い込みました。

このカニをあまり食べる気にならなかったので、二晩バケツに入れておきました。

バケツの中を覗くたびハサミを突き立てて威嚇してくるし、臭いが段々ときつくなってくるので、結局おとなりさんの家族にプレゼントしました。

すると家族全員で大喜びしてくれて、とても感謝されました。

市場でカニを買っても結構な値段がするので、あまり裕福でないおとなりさんからすると、滅多に食べることができない高級品、だったのでした。

カニが家からいなくなって、ほっとしました。

今後は、もうマングローブガニは買わないことにしました。

 

ABOUTこの記事をかいた人

フリーランスの画家として活動しています。 愛知大学卒業後、青年海外協力隊で南米ボリビアの首都ラ・パスの国家警察学校で空手に当たる。現地で絵を描く楽しさを知り、帰国後独学で技法を学ぶ。その後、創作活動をして個展を開催する傍ら、ラオス、スリランカ、エルサルバドル、フィジーに空手の指導に当たる。今までの経験を創作に活かし「明るく、楽しく、やさしい絵」をモットーに元気に活動中。