エルサルバドルの思い出・その9

ステーキハウスで

写真は前列左から、空手道連盟の事務の人、マタ師範の奥さん。

後列左から、男前の前川さん、以前エルサルバドルで空手を指導していた紳士的な増田さん、空手道連盟のマタ師範、知らない人・・じゃなかった・・古橋さん、私。

マタ師範が、ステーキハウスにみんなを招待してくれました。

アルゼンチン牛のステーキは、赤身がとても柔らかくて美味しいのです。

この丸テーブルに、古橋さん、私、前川さんの順番で座っていました。

古橋さんと私は、確かフィレステーキを注文しました。

前川さんは、サーロインだったと思います。

注文した品がそれぞれの前に出されると、古橋さんが私にボソッといいました。

「花ちゃん・・・・、何かさあ~、前川さんのステーキの方が大きくない・・・?」

私は、この人いい歳して大人気ないなあ、などと思い前川さんのステーキを見ると、確かに大きいのです!

しかも、美味しそう・・・・。

こんなときは「隣の芝生は青い(他人のものは何でもよく見えること)」の法則が作用し、隣の人のうなぎの方が大きく見えてしまうのと同じく、ステーキも美味しそうに大きく見えてしまうのです。

すると、古橋さんは前川さんのステーキをじぃ~~~っと見て

「前川さんのステーキ、大きいねえ」

と言うと、前川さんはニガ笑いして

「・・・・・た、食べますか・・・・?」

と言い、古橋さんに一切れプレゼントしました。

私もすかさず、

「それは、どんな味がするんですか?」

と聞いたので、前川さんはニガ笑いしながら

「・・・・はい、・・・・どうぞ・・・」

と、私にも一切れプレゼントしてくれました。

マタ師範の話はそっちのけで、古橋さんと私はステーキの醍醐味を堪能したのでした。

私と古橋さんは何て大人気ないんだろう、と思いましたが、こういうときはついついインナーチャイルドが出てしまうんです・・・。

前川さんは、私よりも3つか4つぐらい年下なのに、立派な大人です。

ちなみに、古橋さんは私よりも年上で、生まれたのは確か縄文時代か弥生時代だったかなぁ・・・どうだったかなあ・・・忘れましたけど、年上なんです。

ステーキハウスで、魂の未熟さを実感した私たちなのでした。

ABOUTこの記事をかいた人

フリーランスの画家として活動しています。 愛知大学卒業後、青年海外協力隊で南米ボリビアの首都ラ・パスの国家警察学校で空手に当たる。現地で絵を描く楽しさを知り、帰国後独学で技法を学ぶ。その後、創作活動をして個展を開催する傍ら、ラオス、スリランカ、エルサルバドル、フィジーに空手の指導に当たる。今までの経験を創作に活かし「明るく、楽しく、やさしい絵」をモットーに元気に活動中。