フィジー日記・その18

子犬のレディー

2007年12月21日

(写真)子犬のレディー

数日前、おとなりさんが友人からメスの子犬をもらってきました。

名前は、メスなので「レディー」なのだそうです。

もっとマシな名前にすればいいのに、と思いましたが私の犬ではないので仕方がありません。

餌はとなりの子どもたちが与えているので、子どもたちにはよくなつきます。

私は餌を与えてないので、私には寄って来ません。

こんなとき私の子どもの部分が出てくるので、寂しい、と思ってしまいます。

私は人間ができていないので、となりの子どもたちが寝ている間、自分にもなつくようにとこっそり餌を与えました。

すると次の日から私のところにも寄って来るようになったので、私の子どもの部分が安心し癒されたのでした。

私は幼い時から犬が大好きだったのですが、実家は昔、やきそば屋をやっていたので動物を飼うことができませんでした。

その幼児期の抑えられた感情が、今になって出てきているのかもしれません・・。

ちなみに高校生のとき、どうしてもシマリスが欲しくてたまらず、親に相談するといつも拒否されるので予約してしまえば仕方なく承諾してくれるだろうと考えていました。

中学3年生から大学1年生まで新聞配達をしていたので、リスを買うお金ぐらいはありました。

高校生なのにお金は結構持っていたのです。

家に帰り、親に「リスを予約してきたから、来週家に来るからね」というと、突然激しい稲妻が落ちてきて「枕元で飼うから大丈夫」との弁解もままならず、予約のキャンセルをさせられました。

それ以来花村家では、テレビでペットやリスのが出てくると「弘幸は枕元でリスを飼おうとした」とみんなから笑いの種にされます。

 

また、同じく高校生のとき、アロワナの稚魚を買ってきて「これは大きくならないから大丈夫」と親を騙し飼うことにしました。

7cmぐらいしかなかった稚魚は、月日を重ねるうちに60cmぐらいに成長しました。

これほど大きくなるとは予想もしていなかったし、その前に死んでしまうだろうと思っていました。

しかし、実物が狭い水槽の中で泳いでいるので何の言い訳もできず、申し訳ない気持ちで毎日暮らしていました。

そして私は、花村家の四人兄弟の中で、要注意人物に指定されたのでした。

 

そんなことがあり、ペットには強い思い入れがあるのでした。

もっと犬に好かれたいと思い、アメリカ系の倉庫型スーパーマーケットで骨型の犬用チューイングガムを買ってきました。

それを子犬に与えると子どもたちは「何これ?」と不思議そうな顔をして聞いてきました。

話を聞くと、犬用のチューイングガムを見るのは生まれて初めてだったようで、あんなに硬いのにガムだということに納得がいかない様子でした。

次男の三歳の子が「これ、僕も食べたい」と言ってガムを取ってかぶり付こうとしましたので、ダメダメこれは人間は食べれないよ、と取り上げたら泣いてしまいました。

彼は、その日一日は口を利いてくれませんでした。

今朝は長女の8歳の子が犬をかわいがっていたので、何かためになることを教えてやろうと色々と思い出していました。

しかしなぜか、東南アジアでは犬を食べてしまうんだよ、ということしか頭に浮かばず、そんなことを純真な女の子に教えたくなかったので、思い出しているうちに女の子は犬と一緒にどこかに行ってしまいました。

この子犬のレディーといられるのもあと一ヵ月半。

楽しい思い出を作ろうと思います。

 

ABOUTこの記事をかいた人

フリーランスの画家として活動しています。 愛知大学卒業後、青年海外協力隊で南米ボリビアの首都ラ・パスの国家警察学校で空手に当たる。現地で絵を描く楽しさを知り、帰国後独学で技法を学ぶ。その後、創作活動をして個展を開催する傍ら、ラオス、スリランカ、エルサルバドル、フィジーに空手の指導に当たる。今までの経験を創作に活かし「明るく、楽しく、やさしい絵」をモットーに元気に活動中。