長崎で海鮮丼が宙を舞う

妻の故郷の長崎へ

海の幸が豊富な長崎県

数年前に、妻の故郷の長崎に里帰りした時のこと。

 

家族で海鮮丼の美味しいお店へ

私は妻と2歳の息子と1歳の娘と一緒に、海鮮丼がとても美味しそうな店に入りました。

 

折角なので、私は超豪華な海鮮丼を注文しました。

 

妻はあまりお腹が空いてないとのことで、私だけ食べることにしました。

 

私がむしゃむしゃ食べている姿を見て息子も食べたそうだったので、少し分けてやりました。

 

小さい茶碗に分けて、レンゲのようなスプーンで慣れない手つきで息子は海鮮丼を口の中に運んでいました。

 

その時、私たちが居る後ろのテーブルでは、年配の男性が部下らしき若い二人に熱く説教をして酒を飲んでいました。

 

暫くすると、突然息子は何を考えたのか、スプーンで海鮮丼の酢飯をすくうとそれを天高く振り上げました。

海鮮丼

 

酢飯は宙を舞い、後ろのテーブル上空まで飛んで行きました。

 

その光景はスローモーションのように見えたと同時に、私は頭の中が真っ白になりました。

 

とっさに後ろを振り向くと、年配の男性と若い二人は火山灰が降ってきたかの如く、降り注ぐ酢飯を両手で防御していました。

 

私たち夫婦は急いで後ろのテーブルに行き、ひたすら彼らに平謝りしました。

 

飛び散った酢飯を回収しようとすると年配の男性は

「結構だ!」

とだけ告げ、再び熱弁を開始しました。

 

申し訳なさそうに私と妻は席に戻ろうとしたその瞬間、目が釘付けになりました。

 

年配男性の禿げ上がった艶やかな頭の上を見ると

 

そこには何と「酢飯」が乗っかっているではありませんか!!

 

正直どうしようか迷いました。

 

「失礼します!」

 

と言ってティッシュで拭き取るわけにはいかないので、私たちは急いで残りの海鮮丼を平らげて逃げるように店を出ました。

 

それ以来、外食をするときは常に息子の行動に目を光らせるようになりました。

ABOUTこの記事をかいた人

フリーランスの画家として活動しています。 愛知大学卒業後、青年海外協力隊で南米ボリビアの首都ラ・パスの国家警察学校で空手に当たる。現地で絵を描く楽しさを知り、帰国後独学で技法を学ぶ。その後、創作活動をして個展を開催する傍ら、ラオス、スリランカ、エルサルバドル、フィジーに空手の指導に当たる。今までの経験を創作に活かし「明るく、楽しく、やさしい絵」をモットーに元気に活動中。