殿様よりもいい暮らしをしている現代人

殿様 いい暮らし

こんにちは。「心を癒す」がテーマの画家ハナムラ・ヒロユキです。

今回は、「昔の殿様よりもいい暮らしをしている」ことを青年海外協力隊の経験を通して考えてみました。

私たちの日常生活では、一体どんなことが便利なのでしょうか。

目次

 

殿様よりもいい暮らし

「今の日本人は、昔の殿様よりもいい暮らしをしてるよね~」といわれます。

 

確かに、そうだよなと思います。

 

昔の殿様は、暑くてもクーラーの効いた涼しい部屋にいることはできませんでした。

 

移動するときも、自転車も自動車も新幹線も使えませんでした。

 

食べ物も昔よりバラエティーが豊富で、世界中のおいしいものがスーパーで手に入ります。

 

医学も進歩して病気も治せるようになってきました。

 

 

現代生活の便利さに慣れてしまっている

でも、現代生活に満足している人はあまりいません。

 

というか、普段はそんなこと考えたこともありません。

 

むしろ当たり前になっていて、もっと便利になればいいのにと思ったりしています。

 

なぜ不満が多くなってしまうのでしょうか?

 

現代生活の便利さに慣れてしまっているからではないでしょうか。

 

 

途上国では不便な生活が当たり前

私は青年海外協力隊で開発途上国に住んでいました。

 

そこでは不便な経験をたくさんしました。

 

腕がパンパンに張る手洗い洗濯

洗濯は、手で洗っていました。

 

バケツに洗剤と水を入れ、ゴム手袋をはめてバケツの中をかき回して洗剤を溶かします。

 

まずはタオルから上着、下着、靴下の順番で押し洗いします。

 

なぜゴシゴシやらないのかというと、衣類がすぐに傷んでしまうから。

 

しっかりと絞らないと洗剤が残って、すすぎに時間がかかってしまいます。

 

思い切り固く絞ることが重要なんです。

 

大きなバスタオルや分厚い空手衣を洗うと、腕が疲れて痺れてきます。

 

そのあと水で2回ほどすすいで、再び絞って終了です。

 

ここまでやると腕の筋肉がパンパンにはってしまいます。

 

でも、空手のトレーニングだと思って淡々と洗濯修行をしていました。

 

洗濯機があればボタン一つ押すだけでいいのに・・・

と日本の暮らしを夢見ていました。

 

電気がないと一日は早く終わる

電気はときどき停電するので、懐中電灯かろうそくが必要でした。

 

田舎の電気もないようなところは、日暮れとともに一日の生活が終わります。

 

テレビも電気もインターネットもない暮らしをすると何もできないので暇になります。

 

心にポッカリ穴が開いたような気分でした。

 

そんなときは外に出て星を見たり、植物が風で揺れる音などをぼーっと聴いていました。

 

一人暗闇でぼーっとしていると、日本で暮らすみんなのことを思い出しました。

 

懐中電灯で本は読みにくいのでろうそくにしました。

 

でも、火は揺れて読みにくいし、火に近づかないと暗くて読めません。

 

読書に集中していると火に近づきすぎてしまい、髪の毛に燃え移りそうになったこともありました。

 

そのまま眠ってしまうと家事になったら大変なので、読書もあきらめました。

 

原始時代の人たちは夜は、どのように過ごしていたのだろうかと想像しているうちに眠りについていました。

 

暑い国でも水シャワーは冷たい

シャワーも水しか出ないところは、浴びる前に心の準備をして気合を入れます。

 

フィジーという暑い国にいたときも水シャワーは冷たく感じるので、入るのには気合いが要りました。

 

ボリビアで住んでいた家のシャワーはよく壊れたので、寒いラ・パスで頻繁に水シャワーを浴びていました。

 

最初は、心臓から遠い手から・・・、などと少しずつやっているとなかなか浴びることができないので、思い切って一気に水シャワーに飛び込みます。

 

すると体の底から「あ”あ”あ”~~~!!」というクセ者の雄叫びが聞こえてきます。

 

ちなみに湯船に浸かった気持ちがいいときの「あ”あ”あ”~~~」とはちょっと違ったトーンです。

 

湯船に浸かったときの感動と有難さは、帰国してから今日までずっと続いています。

 

不便を体験すると便利さがよくわかる

まだまだたくさんありますが、私はこのような不便な体験をすることで日本で生活する便利さと快適さに気がつくことができました。

 

不便なことが起きたら便利さを気づかせてくれるチャンスだと思うと、ものの見方が変わって「実は天国にいたんだ」と思えるのではないでしょうか。

ABOUTこの記事をかいた人

フリーランスの画家として活動しています。 愛知大学卒業後、青年海外協力隊で南米ボリビアの首都ラ・パスの国家警察学校で空手に当たる。現地で絵を描く楽しさを知り、帰国後独学で技法を学ぶ。その後、創作活動をして個展を開催する傍ら、ラオス、スリランカ、エルサルバドル、フィジーに空手の指導に当たる。今までの経験を創作に活かし「明るく、楽しく、やさしい絵」をモットーに元気に活動中。