エルサルバドルの思い出・その12

出張旅行で

空手道連盟のマタ師範たちと共に、出張旅行に連れて行ってもらいました。

はっきり言って、この出張旅行で空手をやったかどうかほとんど覚えてません。

4年前のことなので・・・。

写真の真ん中はマタ師範で、海亀の卵を食べているところ。

マタ師範は、海亀の卵が大好きなのです。

海亀の卵の殻は、鶏卵の内側に貼り付いている膜をもっと分厚くしたような感じで、黄身は鶏卵より少し小さめで、白身はドロ~っとしていますが弾力がある感じでした。

で、殻を破って子皿に入れて、ライムのようなレモンを絞り、醤油みたいなソースを少しかけてから、チュルッと飲み込みます。

私は、はっきり言ってあまり好きではありません。

ちょっと生臭い感じがするし、海亀は産卵のときに涙を流すのですが、その顔を思い浮かべると申し訳ないのです(涙)

古橋さんは、うまいうまいと言ってたくさん食べていましたが、あとから私が、本当に美味しかったの?と聞くと、美味しくなかったと言っていました。

マタ師範に気を使って、無理して食べていたようです。

写真は左から、マタ師範、古橋さん、誰だか忘れたけど確か連盟の会長さん。

マタ師範の前には、食べた海亀の卵の殻がたくさんあります。

一心不乱で食べてました。

古橋さんが持っているのはマンゴー。

これ、すごく甘かったんです。

半分に切って、ナイフで内側に9等分に切込みを入れて、後ろからギュッと押してひっくり返すと、マンゴーキューブができます。

それをかぶりつきます。

ああ・・・・、美味しかったなあ~~~~~。

写真は、古橋さんが子皿に入った海亀の卵を見せているところ。

食後、古橋さんは、やたらと海で泳ぎたがっていました。

私は怠け者で、できれば動かずにじ~~~っとしていたい人なので、古橋さんに「行きたかったら、お一人でどうぞ」と言ったら、一人で海のほうに向かって歩いて行きました。

光り輝くまぶしい砂浜を、海へ向かって歩いていく古橋さんの後姿を見ると、あの世に旅立って行く死者の霊を想像させます。

古橋さんはやっと母なる海へ帰っていったか、と永遠の別れだと思っていましたが、数分後、戻ってきました。

海水に足を浸したら満足したみたいです。

マタ師範おすすめの、新しい料理が運ばれてきました。

それは・・・、

ラ・コンチャ!・・・・・・といった、確か・・・。

貝と子タコのレモン締めサラダといったところです。

この貝と子タコは、生きています。

レモンが酸っぱ過ぎて、器の中で苦しんでいるところを食べるという、エビの踊り食いのような残酷な料理です。

口の中でゴニョゴニョ動く貝とタコは、まるでエイリアンを食しているような感じです。

エイリアン食べたことないけど。

半分ぐらいいただきました。

この料理は、エイリアンのレモンサラダと名付けよう。

私は、海鮮トマトシチューみたいな料理を食べています。

私は海のない岐阜県人なので、海鮮料理を見ると興奮してしまいます。

このときは、こんなにたくさんのエビが入った美味しい料理を、一人で平らげることができて大満足でした。

この写真の私の後ろで電話しているのが前川さんで、その後ろにいる人は、この地域で空手を教えている先生です。

この先生は、食事のときに古橋さんの向かい側に座っていて、ニヤニヤしながら古橋さんを見ていました。

古橋さんは私に「アイツ、何ニヤニヤこっちみて笑ってんだ?アイツはホモじゃねえか?オレに興味あるんじゃねえか?」と言い、古橋さんも向かいに座るその先生をジロジロ見ていました。

お互いそう思ってたりして。

うまくいけば、カップル誕生!だったのですが、残念ながら古橋さんの誤解だったようで、仲良くなっていました。

絵画みたいな写真。

ものすごく暇だということが伝わってきます。

海辺でみんなで記念撮影。

写真は左から、ホモ疑惑の先生、保毛尾田保毛男ではなく古橋さん、連盟の会長、前川さん、マタ師範、私。

とても風が強い海辺でした。

赤いTシャツを着た前川さんは、筋肉もりもりです。

ホモ疑惑の先生と古橋さんが嬉しそうに持っているものは、海辺で拾ったポルノ新聞。

お互い女に興味があるとのことでホモ疑惑は晴れ、二人は和解したのでした。

後ほど古橋さんは私に「アイツ、バイセクシュアルなんじゃねえか?」と疑問を抱いていました。

お互いそう思ってたりして。

ピストル射撃をする、マタ師範。

結構な腕前でした。

屋台の射的を楽しいんでいるかのような古橋さん。

古橋さんが耳に当てているのは新種のブラジャーではなく、イヤーマフという防音具です。

逃げ惑う古橋さんを狙っている私。

いえいえ、そんなことはしません。

ボリビア警察学校で鍛えた私の腕前はどうだったかというと、全然大したことありませんでした。

大きく的からハズレて、ちょっとショックでした。

宿泊したホテルは、私と古橋さんと前川さんは一緒の部屋で、昼寝タイム中にまたもや私は魂の話をしたので、前川さんを洗脳することに成功しました。

ホテルの中庭には、あまり使ってないようなゴミが浮いた汚いプールがありました。

古橋さんは、なぜか泳ぎたがるので、仕方がないのでホテルの人に交渉してプールを使わせてもらいました。

生ぬるい汚れたプールでしたが、古橋さんと前川さんはとても楽しそうだったので、なんて幸せな人たちなんだと感動しました。

夜は、マタ師範たちにゲテモノレストランに連行されました。

アルマジロとかトカゲとかスペイン語で言われたのでわからないものもありましたが、出されたものは全部ヘンなものでした。

私は、細いソーセージのような黒いものをかじってモグモグしていると、マタ師範の弟子が

「それは、ウンコ(笑)」

と、タブーなジョークを言うので、私は一気に食欲がなくなりました。

実際ウンコみたいだったし・・・。

古橋さんはスペイン語がわからないので、何も知らずに引き続きウンコみたいなものをモグモグ食べていました。

そんなこんなで、楽しい出張旅行も終わったのでした。

ABOUTこの記事をかいた人

フリーランスの画家として活動しています。 愛知大学卒業後、青年海外協力隊で南米ボリビアの首都ラ・パスの国家警察学校で空手に当たる。現地で絵を描く楽しさを知り、帰国後独学で技法を学ぶ。その後、創作活動をして個展を開催する傍ら、ラオス、スリランカ、エルサルバドル、フィジーに空手の指導に当たる。今までの経験を創作に活かし「明るく、楽しく、やさしい絵」をモットーに元気に活動中。