こんにちは。ハナムラ・ヒロユキです。
今回は、レイチェル・カールソンという人が30年以上前に書いた「センス・オブ・ワンダー」についてです。
この本には、幼少年期は「知る」ことよりも「感じる」ことのほうが大切なんだよということが書いてありました。
目次
レイチェル・カールソンとはどんな人?
レイチェル・ルイーズ・カーソンは、アメリカ合衆国のペンシルベニア州に生まれました。
彼女は、1960年代に環境問題を告発した生物学者です。
アメリカ内務省魚類野生生物局の水産生物学者として自然科学を研究しました。
農薬で利用されている化学物質の危険性を取り上げた著書『沈黙の春』(Silent Spring)は、アメリカにおいて半年間で50万部も売り上げました。
後のアースディや1972年の国連人間環境会議のきっかけとなり、人類史上において、環境問題そのものに人々の目を向けさせて環境保護運動の始まりとなりました。
没後1980年に、当時のアメリカ合衆国大統領であったジミー・カーターから大統領自由勲章の授与を受けました。
「知る」より「感じる」こと
このセンス・オブ・ワンダーという本は、彼女が晩年に書いたものです。
ここには子ども時代には「感じる」ということがとても大切で、大人になってからの人生に影響すると書いてありました。
彼女曰く、「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないようです。
私たちは学校教育で色々な知識を吸収して「知る」ことに重点を置いています。
でも、彼女はそれはそんなに重要ではないといいます。
大切なのは、幼児期に自身の体を通じて体験した感覚が自由な心を育てていくということです。
簡単にいうと、
こどもと一緒に自然を感じて楽しみましょう
ということです。
虫眼鏡を持って庭に出て、小さな虫の世界を観察すること。
風の音に耳を澄ませて、風圧などを感じること。
いい匂いや臭いにおいなど様々な匂いを感じること。
大人になってからもその匂いを嗅いだだけで、幼児期の記憶が一瞬で蘇ってくるそうです。
水や土や植物を触って感じること。
こういうシンプルなことが、子どもたちにとってはとっても大切なのです。
生まれつきそなわっている子どもの「センス・オブ・ワンダー」をいつも新鮮に持ち続けるためには、私たちが住んでいる世界の喜び、感動、神秘などを子どもたちと一緒に再発見して、感激を分かち合う必要があります。
様々な生き物たちが住む複雑な自然界について自分がなにも知らないことに気がつき、しばしば、どうしてよいかわからなくなります。
大人は何十年も生きていますが、一歩家の外に出てみると知らない植物や虫や鳥でいっぱいです。
意外と知らないことばかりなんですよね。
子どもたちが出会う事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生み出す種子だとしたら、さまざまな情緒や豊かな感受性は、この種子を育む土壌です。
幼い子供時代は、この土壌を耕すときです。
好奇心というのは、大人になって老後に至るまでとても大切な要素です。
些細な喜びや感動がないと早く老けていきますし、つまらない人間になります。
アメリカのサドベリースクールやシュタイナー教育なども好奇心よ育てて個性を伸ばす教育をしています。
一つのことに興味を持つと誰に言われなくても自分からとことん学ぶようになって、その学びの過程と喜びがわかるので他のことをしてもすぐに習得してしまうようです。
アマゾンやグーグルの創業者もこのような教育を受けたといいます。
美しいものを美しと感じる感覚、新しいものや未知なものにふれたときの感激、思いやり、憐れみ、賛嘆や愛情やさまざまな形の感情がひとたびよびさまされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思いようになります。
そのようにして見つけ出した知識は、しっかりと身につきます。
消化する能力がまだそなわっていない子どもに、事実をうのみにさせるよりも、むしろ子どもが知りたがるような道を切り開いてやることのほうがどんなに大切かわかりません。
親は自分の価値観を子どもに押し付けがちになります。
でもそれは子どもがやりたいことかというと、やりたくない場合がほとんどです。
無理やり子どもに押し付けると子どもは我慢してやりますが、心がどんどん壊れていきます。
すると、大きくなってから親の顔も見に来ないような人間になってしまうといいます。
でも、それって仕方がないですよね。
人間を超えた存在を認識し、おそれ、驚嘆する感性を育み強めていくことには、どのような意義があるのでしょうか。
自然界を探検することは、貴重な子ども時代をすごす愉快で楽しいひとときに過ぎないのでしょうか。
それとも、もっと深い何かがあるのでしょうか。
私はその中に、永続的で意義深い何かがあると信じています。
地球の美しさと神秘を感じとれる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれることは決してないでしょう。
たとえ生活の中で苦しみや心配ごとにであったとしても、からなずや、内面的な満足感と、生きていることへの新たな喜びへ通ずる小道を見つけ出すことができると信じています。
この上の太文字部分はとっても大切なことだと思います。
私は絵を描きますが、色んなものを観察していると「こんなに感動できるなんて私はとっても幸せだ!」と感じます。
知れば知るほど驚きがあるからです。
スウェーデンのすぐれた海洋学者であるオットー・ペッテルソンは、もう先が長くないと悟ったときに息子にこう語ったそうです。
「死に臨んだとき、わたしの最期の瞬間を支えてくれるものは、この先になにがあるのかという限りない好奇心だろうね」と。
限りない好奇心。
これが生きるうえでの最高の活力源なのではないでしょうか。
他にも素晴らしいことがたくさん書いてるので、是非センス・オブ・ワンダーを読んでみてくださいね。