花いっぱい
作品詳細
- タイトル:花いっぱい
- 制作年:2015
- サイズ:455 x 455 cm
- 素材、技法:キャンバスにアクリル
作品ストーリー
女の子は悩んでいました。
人間関係について、健康について、将来について。
悩んでいると、心が鬱々としてきます。
鬱々としてくると、悩みは更に深まります。
目に見える世界が、何だか暗く感じます。
心に黒い煙が巻かれているようで、息苦しいような気もします。
なんでこんなに自分が暗く落ち込まなければならないのかわかりません。
「人生は山あり谷あり」だというけれど。
谷しかないような気もする。
「苦しいことからも学ぶことはあるよ」といわれるけれど。
そんなことどうでもいいと思えてくる。
一生懸命に頑張れば頑張るほど、目標は遠のいていくように思うし。
色々と考えれば考えるほど、生きるのがつらくなって嫌になってくる。
生きているのが嫌になってきた。
この世界から消えてしまいたい。
そうだ、消えてしまおう。
女の子は絶望しながら歩いていると、石につまずいて転んでしまいました。
膝を擦り剥いて、血が流れ出てきました。
痛いのと惨めな自分を思うと、涙が溢れて止まりませんでした。
そんなときふと足もとを見ると、一輪のきれいな赤い花が咲いているのに気が付きました。
女の子はしばらく花の美しさにうっとりしていると、強い風が吹いて花弁が散ってしまいました。
風に遠くに吹かれていく花弁を目で追うと、女の子は目を疑いました。
自分の足もとから地平線の彼方まで、きれいな花が咲き乱れていたのです。
なぜこんな美しい光景に気付かなかったのか女の子は不思議に思っていると、ゆるやかな風は答えました。
「自分をもっと知ることで、世界は違って見えてくるんだよ~」
女の子はその意味が、ちょっとだけわかったような気がしました。
これからは自分の心を見つめて生きていこうと決めました。
ちょっとだけ生きる希望が湧いてきました。
ゆるやかな風は、にっこり微笑みました。
意外と見えていないまわりのこと
人間誰でも生きていると、悩み苦しんで嫌になってしまうことがあります。
なんで私だけこんな目に合わなければならないのか。
どうしてこんなことになってしまったのか。
など色んなネガティブなことを想像して、どんどん深みにはまっていってしまいます。
まるで黒い煙に一人だけ巻かれているような気分になってしまいます。
でも、自分が嬉しくて楽しくて気分が明るいときはどうでしょうか。
暗い煙に巻かれているどころか、太陽になって光を放射しています。
「ネガティブなときは、心が内側に向かっている状態」
「ポジティブなときは、心が外側に向かっている状態」
だと思うといいのです。
呼吸と一緒で、吸って吐いて、吸って吐いてってするから生きていられるのです。
心も一緒で、内に向かって自分を見つめたり、外に向かってエネルギーを出したりを繰り返すから元気にいられるんです。
悩み事が増えて心が暗く落ち込んできたら、自分の心に雨雲が出てきたなと思いましょう。
雨雲の上では、太陽はいつも輝いていることを覚えていましょう。
本当につらくて苦しいときは、思い切って涙という雨を思いっきり降らしましょう。
そうしたら心という大地が潤って、段々と元気になっていきます。
「いつまでも落ち込んでいたらいけないよ」
っていわれるけれど、そんなことどうでもいいんです。
「立ち直れるのなら、とっくに立ち直っているよ」
っていいたいです。
「今は心を見つめて自分を知るときなんだ。学んでいるときなんだ」
と思って、自分のペースですすんでいくんです。
他人の強さと自分の強さは違うんです。
だから、自分のペースで一歩一歩すすんでいきましょう。
そうすれば、まわりのあたたかい光景に気付くことができるのです。